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81 触れる指先

「いいよ、敦の好きにしても……」  俺がそう言うと、敦の腕に力が入った。  きっと俺のこの鼓動は、しっかり敦に伝わってしまっているのだろう。 「悠さん……好きだよ」  耳元で囁いた敦の手がスッと服の中に滑り込んできた。 「んっ…… 」  初めて直接触れられる敦の手から伝わる緊張感……  それだけでなんだか俺は泣きそうになり、息が上がってきてしまった。 「ねぇ、こっち向いて……悠さん、俺に顔……見せて」  恥ずかしい。 「………… 」  緊張と恥ずかしさで返事すらできないでいると、敦はそっと後ろから俺の頬へキスを落とし顔の向きを変える。 「……悠さん、可愛すぎる」  目の前の敦が俺の顔を見てフワッと笑う。  普段あまり見せない、子どものような笑顔。  可愛いのはお前の方だ。そう言おうと口を開くも、すかさず敦のキスで塞がれてしまった。  軽い挨拶のような、優しく触れ合うだけのキスなのに……それだけなのに胸が高鳴る。  顔が上気する……  ドキドキし過ぎて怖くなった。 「もっと……もっとキス、していい?」  俺の髪を撫でながら敦はそう言い、そっとまた唇を重ねた。  ……まだ返事してないのに。  優しく触れ合う柔らかな唇。  軽くノックするように敦の舌が唇に当たり、俺は恐る恐るそれを受け入れた。 「んっ……敦……」  俺の体を触る敦の手がすごく優しい。  首筋に顔を埋め、時折耳朶を食む敦にビクッとしながら、もどかしさに強請るような声を出してしまった。 「悠さん……感じる? もっと色々してもいい?」 「あっ……んんっ…… 」  直接肌に触れる敦の指先が、俺の胸元をトントンと軽く叩く。  そのまま敏感な突起に触れたかと思うとキュッと意地悪く摘まれた。 「や……だ、敦……痛い…… 」 「ふふっ……うるさい」  指先で転がされながら、またキスで口を塞がれる。  執拗に弄られジンジンと頭が痺れていく感覚に少し怖くなり、俺はまた敦の肩に縋り付いた。

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