7 / 22
出会い
依頼人、聖護院 詩乃(しょうごいん しの)は息子の叶(かのう)と共に古坐魅たちの前に現れた。
「はじめまして、聖護院 叶ともうします」
ハキハキとした礼儀正しい少年は朗らかに微笑み、感情を失っているようにはみえない。
「はじめまして、叶くん。僕は古坐魅 丞、隣の彼は北洛 司紋。怖そうだけど優しいお兄さんだよ」
「怖そうは余計だ。はじめまして、叶くん。隣の胡散臭いおにいさんから紹介された北洛 司紋だ。よろしくな」
ご挨拶に、と指をパチンと鳴らすと叶の手のひらに飴が出現すると、大きな目がキラキラと輝き詩乃と北洛を交互に見つめ、「すごい、ありがとうございます!」と興奮気味にお礼を言った。
「飴すきか?」
「はい、魔法も甘いものもすきです」
嬉しいと全身で表現しているがかわらない口調で声が踊っている叶の「魔法」という言葉に幼さを感じた。
「そうか、じゃあおにーさんが来たときは魔法を見せてやろう」
北洛の言葉に叶が星が瞬くように満面の笑顔で頷いた。
ともだちにシェアしよう!