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第4話

「ただいまー。」 「あ、猫貢人おかえりー。…ってあんたいつもに増して負のオーラすごいわよ…。こわっ。」 「人を疫病神みたいに言うのやめろよ…。ねぇちゃんしかいねぇの?」 「悟遅くなるって。あ、猫貢人。」 「買い物には行かねぇからな。」 悟は俺のにぃちゃんで、このねぇちゃんは朝日ねぇちゃん。 ちなみににぃちゃんとねぇちゃんは社会人だ。 「えぇ…。まだ何も言ってないじゃん…。…でもなぁ、あれないとなぁ、猫貢人のだぁいすきな唐揚げ作れないなぁ。ついでにお肉も追加で買ってきてくれたら唐揚げ、奮発するのになぁ。」 「…っだぁぁ!行けばいいんだろ!行けば!はよ金出せ!」 「はいはい。怒んないの。お釣りはあげるから。」 「俺はガキか!」 「じゃあ要らないの?」 「…いる。」 このくそ寒い時期に弟の俺に買い物に行かせる姉なんか鬼だ鬼。 「…でも、唐揚げに罪はない…。これは唐揚げのためだ…。」 うぐっ…。やっぱくっそ寒い。 お釣りで温かい飲み物買って帰ろ。 寒すぎて死ぬ。 次の瞬間 大嫌いな声が聞こえた。 「やぁやぁこんばんは、倉門クン。」 「…浅井…。」 「せんせー呼び捨てとはいい度胸じゃん。」 最悪…。

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