13 / 34
第13話
「…えっと、みやにいちゃん、あ、じゃなくて、先生?」
「みやにいちゃんでも先生でもなく、桃香って呼んでほしいな。」
「え、あの…と、桃香、えっちするの…?」
「うーん、猫貢人がしたいなら。むしろしたい。はじめてだから無理強いはしないけど、どうする?」
はじめて…。
この機会を逃したらできないかもしれない。
会えなかった時間の胸の隙間を埋めたい。
「…したい。えっちしたい。会えなかった時間の分、いっぱいしたい。桃香で、俺の胸いっぱいにして…。」
「…これからずっと、俺のことしか考えられないようにしてあげる。可愛い俺の猫貢人。」
君で満たされるならそれでいい。
君が満たされるならそれでいい。
きっとお互いそう思っているに違いない。
君以外考えられない。
君以外考えたくない。
きっとお互いそう感じているはずだ。
「桃香、大好き。誰よりも好き。…俺が好きなら、ぜ、絶対浮気すんなよ…?」
「するわけないでしょ。あ、でもずっとほっといたりしないでね?それは寂しいから。」
お互いすごく寂しかった。
浮気なんて考えられない。
目の前の奴でお互い精一杯だ。
お互いのことで精一杯なことより幸せなことはないと思う。
ともだちにシェアしよう!