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第18話

「猫貢人、起きて。もう11時半だから。ご飯も食べてないし。ほら、起きて。」 「…あと5分んん…。」 「だめ、早くしないと襲うよ?なんなら昨日より激しいやつ。」 「…起きる。」 「残念。」 リビングに行くと美味しそうなフレンチトーストが机に並べられていた。 「こ、これ食べていいの?」 「どーぞ。猫貢人が実は甘いものすごい好きなの知ってたからフレンチトーストにしてみた。温かい内に食べな。」 「いただきます…。うみゃい。」 「そりゃよかった。…ふふっ、可愛い。口にあってよかった。俺のも食べる?」 「いや、桃香食べてないだろ。俺のことは気にすんな。」 桃香は優しい。 いや、優しすぎる。 「…。」 「猫貢人、さっきからすごい見てくるけど…何?セックスでもしたいの?」 「せ、何?」 「そういや極度のシャイボーイだった…。セックスは昨日したやつのことを言うの。わかった?」 「わかった。…。」 「んで、何?どーしたの?」 「桃香は優しすぎる。人生つまんなくねぇのかなって。」 誰かに優しくするだけの人生なんてつまんなすぎる。 「うーん、猫貢人は気づいてないみたいだね。俺、猫貢人以外に優しくしてないよ?」 「え、そーなの?全然きずかなかった。」 いつも皆に笑顔で接してる気がする。 「一様笑顔では受け答えするけど、今の猫貢人の質問みたいに真面目には答えないよ。めんどくさいし基本的に適当だよ。」 自分が特別だと再度知れてとても嬉しい。

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