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第19話
「荷物全部持った?」
「うん。あれ、俺の靴は?」
「あー靴箱ん中。一番左の真ん中らへん、そうそうそこ。」
「高くて届かない…。」
「とってあげる。はいどーぞ。」
うぅ…。
ここの靴箱が高いだけだ。
うん、きっとそうだ。
「さ、送るから、一緒に帰ろう。」
「外で手は繋がない…。」
「えー。かなしー。」
「置いてくぞ。」
「はいはい。あと一日くらい泊まっていけばいいのに。悟さん心配してるって言ってるし仕方ないね。」
二人ならんで歩けるなんてもうないと思ってたからなんか泣けてくる。
いや、泣かないけど。
泣くほど嬉しいっつうか…。
昨日から何回幸せだって思ってるかわかんねぇ。
でも、それくらい幸せなんだ。
今までこんなこと考えなかったからなんか自分が自分じゃないみてぇだな。
「なぁ桃香。」
「んー?何?」
「ちゃんと俺のこと幸せにしろよな…。ねぇちゃんだけじゃなくて、俺にも連絡しろよな…。」
「言われなくても当たり前。逆に猫貢人は俺のことちゃんと満たしてね。おねだりとかもいっぱいして、その方が俺は嬉しいから。」
おねだり…。
「お菓子作ってとかか?」
「…ま、まぁなんでもいいよ…。お馬鹿なところも可愛い…。」
「あ、おい。お馬鹿つったな?このやろう。」
「あーあー怒んないで!痛い!真顔で殴るのはたんま!」
「一様俺学年1位だからな。」
「まじか。」
「ほんと失礼だな。」
くだらない話だってこんな楽しくなってしまう。
これってきっと幸せであってるよな。
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