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第25話

「猫貢人、泊まりたいなら今日も桃香君家に泊まらせてもらえば?ね、桃香君。」 「猫貢人がいいなら俺は全然いいですよ。」 「え、泊まりに行ってもいいの?」 一緒にいたかったから嬉しすぎる!とかは絶対言わない。 「猫貢人、猫貢人。思いっきり言ってるぞ。」 「はえっ?………。」 恥ずかしいいい…。 嬉しすぎてまさか口に出していたとは。 「お、俺準備してくる…。」 逃げるように階段をかけあがり部屋に入る。 「…お気に入りの服もってこ…。」 俺今すごい嬉しそうな顔してんだろうなぁ。 仕方ないじゃん? 好きな人の家に泊まれるんだし。 …またせっくす?すんのかな…。 気持ちよかった…。 「ねーくと。可愛い顔してなにつっ立ってんの?」 「おわっ!?なんでいんの!?」 「俺が来なかったら何10分妄想に浸るつもりだったの?」 「…急いで準備します…。」 うっかりしてた…。 嬉しさのあまり普通に我を忘れてたわ。 「そんなに俺の家に泊まれんの嬉しい?」 ニヤニヤしながら聞いてくる桃香さへもなんだかいとおしい。 「嬉しい…。」 素直に告げると予想外の結果だったのか桃香が珍しく頬を赤くしている。 「っやべ。可愛すぎるんだけど…。」 桃香に可愛いって言われるのはなんだか悪い気はしない。 「準備できたしいこ。…手、繋ご…。」 「いいの?誰かに見られるかも。」 「夜だし誰も見てねぇだろ。早くいこ。」 早く二人きりになりたい。 そんな俺の心情を察したように桃香は笑顔で答えてくれる。 「うん、行こっか。家についたらいっぱいぎゅーしちゃお。」 いっぱいぎゅー…。 幸せすぎでは? 「じゃあ行ってくるね。ちゃんと戸締まりしろよねぇちゃんにぃちゃん。」 「言われなくてもするわ。」 「なんかあったら連絡してこいよな。じゃあ桃香君よろしく頼むよ。」 「はい。夕御飯ごちそうさまでした。お邪魔しました。」 ねぇちゃんにぃちゃんに見送られ家をでる。 ここからは二人っきりの時間だ。

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