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第32話
「いやぁ、実は俺も今日出掛けたいなぁと思ってたんだけどめんどくさくなっちゃってさ。猫貢人この部屋とかリビング以外行ったことないでしょ?他の部屋紹介してあげる。俺の部屋とかね」
「…桃香の部屋…」
桃香の部屋めっちゃ見てみたい
てか、この部屋桃香の部屋じゃないのか…
「行ってみたい…」
「うん、じゃあ行こっか。おいで」
手を引いてエスコートしてくれる桃香はかっこよくてドキドキする
「まずここね」
「すげぇ…本がめっちゃある…」
「本専用部屋。気になる本とかあったら貸してあげるよ」
「すげぇすげぇ!これ、何冊くらいあんの?」
「うーん。ざっと10000冊くらい?わからんけど」
「い、10000冊…やばいな」
「さ、次行こっか」
そのあとも色々回って、くだらない話をしながら楽しく過ごした。
てか、とにかく桃香の家デカイ。
「じゃあ最後は俺の部屋。大したものはないけど昔のアルバムとかならあるよ、見る?」
「桃香の昔の写真か…見たい!」
「うん、いいよ」
二人でアルバムを見つめながら今と昔を比べていた。
「あれ?桃香の苗字が宮野だ。なんで?」
中学生の時の卒業アルバムを見ていたら苗字が違うことに気がついた。
「あぁそれ、母さんが再婚する前の相手の苗字。再婚したのは高校生の時だからまだ苗字変わってないだけだよ。猫貢人がみやにぃちゃんて呼んでた理由は苗字が宮野だからって知ってた?」
「まじか、知らんかった」
「猫貢人が、お名前なに?って言うから宮野桃香だよって言ったら、じゃあみやにぃちゃんだね!って言ってきたんだよ?今思い出しても可愛いな」
「ふーん…俺そんなこと言ったんだ…」
「猫貢人は覚えてないのかも知れないけど、俺には幸せすぎる思い出だよ?あだ名つけてもらえてすげぇ嬉しかったんだから」
ちっちゃい頃の事なんか覚えちゃいないけど、そんなことがあったんだなぁと少し思い返す。
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