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第29話 R18
*
雪人に抱き上げられて、部屋の奥にあるベッドへと降ろされた。
放った精液が下着を濡らしているのが分かる。
キスだけでイッてしまったのは、自分が雪人のことをそれだけ好きだから。
いくらあらゆる感覚が鋭いと言っても、嫌いな相手や興味のない相手に触られても不快さを強く感じるだけで、勿論気持ちよくなんかなるわけがない。
すぐ傍で雪人が着ている黒のシャツを脱ぎ捨てる。
大好きな相手はとても綺麗だった。綺麗に筋肉がつき、無駄な肉はどこにもついていない。
「空……」
すごく甘い声で名前を呼んでくれながら、ゆっくりとその体を重ねて来る。その重みは過敏な空には負担になるはずなのに、なぜか心地よさしか感じなくて。
「……先生……」
「雪人って呼んで」
「前は先生って呼べって言ったくせに……勝手だな」
睨んだつもりだったが、きっと今の自分の瞳は甘く潤んでいるだけだろう。
「呼ばなきゃいじめちゃうよ?」
雪人はニヤリと笑うと、空の着ている服を脱がし始める。
「やっ……恥ずかしいって」
部屋には電気が煌々と点いたままだ。このまま裸に剥かれたら、隅々まで雪人の前で露わにされてしまう。
そんなの恥ずかしくてならない。
空には恋愛経験はなかったし、ある程度の年齢になれば家族の前ですら裸体を晒すことはなくなる。
空は精いっぱいの抵抗を試みたが、
「好きだよ……空……」
耳元で甘く囁かれると、その吐息にさえ感じてしまい、体から力が抜けていく。
そして、空の性器はまた昂ぶりを取り戻していて。
雪人がやさしく微笑んでくれ、空の唇に何度も啄むようなキスをする。
「……っは……あ……」
甘ったるい喘ぎ声がキスの合間をついて漏れるのを空は押さえることができなかった。
段々息をするのが苦しくなってきて、空が口を開けて酸素を取り入れようとすると、入ってきたのは雪人の熱い舌。
「んんっ……」
空はもうなにがなんだか分からない。ただ雪人がくれる熱を甘受するだけである。
そして気づいたときには衣服を全て脱がされていた。
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