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第37話

        *  腕の中で空が規則正しい寝息を立てている。  その穏やかな寝顔が愛しくてたまらない。  曲がりなりにも成人している自分が、エイリアンだとは言え十五歳の空に手を出した……その事実は重いけれども。その分、空を幸せにしたいと心から思う。 「好きだよ……空。ずっと俺の傍で、俺だけのものでいて」  よく眠っている愛する人を起こさないように、雪人は吐息だけで囁いた。  その日を境に雪人と空の仲はぐんと親密になった。  夏休みは土・日になる度、二人きりで出かけたし、二学期が始まっても、家庭教師の日以外の放課後は、時間が許す限り一緒にいるようになった。  月に一回は空は雪人の家へ泊まりに来て、存分に愛を交わし合った。  ただ一つ、雪人が気がかりなのは、時折空が見せる憂い顔だ。  真紅の瞳が悲し気に揺れ、小さな唇がなにかを言いたげに開いては、躊躇って黙り込む。  空は故郷の星で家族を失っている。  空が悲しそうな顔を見せるのは、そのことが原因だろうと雪人は思っていた。いまだ詳細はなにも話してはくれないが、心の傷は計り知れないほど深いはずだ。  そのことを無理に聞き出すつもりはない。いつか話してくれる日が来たら、そのあまりにも悲しい重荷を雪人も共に受け止めるつもりでいる。  わがままなところは相変わらずだが、恋人関係になった今では、そういう面もかわいらしく愛しい。  今までの冷めた恋愛遍歴からは信じられないくらいに雪人は空を溺愛している。  毎日顔を合わせていても、まだまだ足りない。もっと一緒にいたい。一秒だって離れていたくないし、これからもずっと傍にいたい。  飽きたり冷めたりするどころか、恋心はどんどん育ち続けて関係は深くなるばかりだ。  二人はいつまでも一緒にいれるものだと雪人は思っていた……。

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