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第61話
激しいセックスのあと、疲れ切って動けない空を抱えて一緒に風呂に入り、体を洗ってやった。
過ぎた快感にトロンと緩む空の表情がとても色っぽい。
風呂から上がり、空をベッドへと降ろしてやってから、雪人は机の引き出しに寂しくしまいっぱなしだった指輪を出してきた。
「空……」
「んー?」
出しすぎて掠れた声といまだ快感の余韻を引きずる真紅の瞳がたまらなくエロい。
「これ……今度こそ受け取ってくれるか?」
そう言って雪人は空の左手を取り、薬指に一度は拒否られた指輪をゆっくりとはめる。
空は大きな目に涙をいっぱいに溜めて呟く。
「……本当に、これ俺がもらっていいの? 雪人」
「当たり前だろ。空のためのものなんだから」
「……俺、エイリアンなんだよ? 後悔しない?」
「今更なに言ってるんだよ、馬鹿」
「うん。ありがとう、雪人……大切にする……」
涙混じりになって消え入る声とともに空は指輪を受け取ってくれた。
「これからもいつまでも一緒にいよう、空」
「ちゃんと約束、守ってね。雪人」
「ああ。……それに」
「それに、なに?」
「……いや。なんでもない。もう寝ろ、空」
「やだ。いったいなにを言いかけたんだよ? 今。俺そういうのすっごく気になるんだから、教えてよ、雪人」
「もう忘れた。ほらおいで、空」
両手を広げて空を迎えてやり、腕枕をしてあげる。
空は腕の中でも雪人が言いかけたことを聞き出そうとしていたが、結局睡魔には勝てずに眠りに落ちてしまった。
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