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【7】-1
けれど、翌朝。
久しぶりに雨が上がった明るい日差しの中、床に敷いた来客用の布団からはルイの姿が消えていた。
「ルイ……?」
どこにいったのかと、家中を探し回った。
「ルイ……!」
単身者向けの1Kのマンションだ。家中と言っても探すところなど限られている。なのに、ルイはどこにもいなかった。
玄関には履物が残され、服も、最初に着ていたきらびやかな衣装を含めて、全て綺麗に残されていた。
ルイは何も身に着けていないことになる。
「どういうこと……?」
疑問を抱え、途方に暮れて、ベッドに腰を下ろした。
どこかにルイの気配を感じるが、いくら周囲を見回してみても、やはりその姿はどこにもなかった。
その日はちょうど休みだったので、一日中ルイの帰りを待っていた。
丁寧に畳まれた洗濯物や掃除の行き届いた室内を眺め、ルイがここにいるために、どれだけ一生懸命働いていたかを改めて思い知った。
仕事から帰ると笑顔で出迎えてくれる麗しの王子。
お伽噺の王子様を家に住まわせている人間が、この世にどれだけいるだろう。思えば雫は、世界有数の幸運の持ち主だったのだ。
それなのに、今はルイがいない。
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