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【7】-2

「ルイ……」  名前を呼ぶと、かすかに気配だけを感じる。 「ルイー……」  もう一度呼んでみた。  ゲコ、とどこかで声がした。周囲を見回し、ふと思いついてベッドの下を覗いた。  目が合った。  青い目だ。ウシガエルの目って青いんだっけ、と考えて、そうじゃないと首を振る。 「ルイ?」 「ゲコ」  カエルが答える。  雫は慌てて起き上がり、懸命に思考を巡らせた。いろいろな可能性を考えた末、このカエルはやはりルイなのではないかという結論に達した。不思議なことに、それが全くありえないことだとは思わなかった。  そして、なんだかんだ言って、こういう時に頼れるのはあの人だと考えて、店に電話した。 「店長に変わってください!」  すぐに店長が出た。  混乱しながらもなんとか状況を話すと、店長はいかにも全てを理解した様子で、重々しく言った。 『そいつの想いを()げさせてやるしかないだろう』 「想いを遂げさせる……?」 『呪いを解く方法は、昔から恋の成就と相場が決まっている。ルイは四葩(よひら)くんに惚れている。抱かれてやりなさい』 「ええっ?」

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