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【6】-2
かいつまんで、これまでのことを話すと「キュウリを二本握らせるとは、いやらしいやつだな」と唸った。
「そこ?」
相談したことを後悔したが、店長はすでに前のめりになっていた。
「とにかく、そんな信用できない男と同棲するのは危険だ。騙されるか、襲われるか、妊娠させられるか」
「妊娠はしないと思います」
「最悪、出て行かない場合はどうする」
出て行かない場合。
なぜか、あまり考えていなかった。
「一生、四葩くんのヒモとして暮らすつもりかもしれないんだぞ」
店長の言うことには、現実味があった。お伽噺 の王子を騙 ってパラサイトする美形。なんだか新しい設定の、ヒモだ。
「ちょっと、僕が行って話をつけてやろう」
「それはいいです」
「遠慮はいらん」
「遠慮じゃありません」
雫の言葉を無視して、敏腕御曹司はその日のうちに1Kのマンションに乗り込んできた。
「君がハイドランジアの王子か」
「ルイといいます。あなたは?」
「名前などいい。今すぐ四葩くんの家から出て行きたまえ」
「店長!」
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