13 / 34

11

 一意の後ろから、襖を開けて姿を現す一哉。  驚く諒一が固まっている。 一哉「お前、馬鹿じゃねぇのか?」 諒一「な…」  恥ずかしくて顔をあげられない諒一。 諒一M「ってか、今の聞かれてたのか!?」  立ち上がるフレデリックと一意。フレデリックが一哉へと意味ありげに微笑む。 フレデリック「それじゃあ一哉、ごゆっくり」  一意の座っていた場所に腰を下ろす一哉。 一哉「まさかこんな形で来るとは思わなかったわ」 諒一「あんな一方的に断ち切られて納得できる訳ないだろ…」 一哉「お前、昔から変なとこ頑固だよな」  一哉の台詞に、俯いたまま小さく笑う諒一。 諒一M「覚えててくれた…」 諒一「お前が勝手にいなくなるから追いかけてやったんだ、礼くらい言えよ馬鹿…」 一哉「おーおー、天下の諒一様がそこまで俺に入れ込んでるとは知らなかったっつーの」  ぴくりと肩を揺らす諒一。僅かに顔をあげる。 諒一「仕方ないだろ…。全然お前の事忘れらんなかったんだから…」  大袈裟に座椅子へと寄り掛かり、一哉が揶揄うような笑みを浮かべる。 一哉「それで? 弁護士なんかになっちまって、今度はお前が俺の事を守ってくれるって訳かよ、ヒーロー?」

ともだちにシェアしよう!