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部屋の内装。
諒一M「まぁ、振られる覚悟くらいはしてたけど……」
一哉「本当にお前、馬鹿じゃねぇの? そのために辰巳の顧問弁護士になったとか言わねぇだろうな?」
諒一は閉じていた目を開いた。ついでに一哉を見る。
諒一「…そうだけど」
がしがしと頭を掻く一哉。
一哉「あーあー、そのためにお前は九年間かけたってか? わざわざ外国まで行って勉強して?」
諒一「もちろん」
項垂れ、額に手を遣る一哉。
諒一「何かおかしいか?」
一哉「お前の頭がおかしいって事に、お前はいつになったら気付くんだ?」
むっとする諒一。
諒一「人の努力に対して随分な言い草だと思うんだが」
一哉「努力する方向が明らかに間違ってっ事に気付けよ」
諒一「間違ってなかったから俺はこうして今お前の目の前にいるんじゃないか」
背凭れにぐったり寄り掛かる一哉。それを見る諒一。
一哉「あーもう…、ホントお前って馬鹿…」
諒一「それよりも俺はお前の答えを聞かせて欲しいんだが」
横目で一哉が諒一を見る。
一哉「報われるかどうかも分かんねぇのに九年もかけんじゃねぇよ阿呆…」
諒一「それは答えになってないぞ一哉」
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