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カップをテーブルに置く諒一。一哉の方に僅かに体を向ける。
諒一「お前は九年もかけたって言うがな、俺にとってその九年に無駄な事なんて一切ないからな。だいたい、顧問弁護士の話がご破算になったとしても弁護士としていくらでも働いていけるんだ。何の問題もないもないだろ」
一哉「あーそうかよ…」
諒一「さあ答えろ一哉。俺はその答えを聞くために弁護士になったんだからな」
項垂れる一哉。
一哉「答えろったってお前…そんなの答え決まってんじゃねぇかよ…」
諒一の胸を力なく叩く一哉の拳。
諒一「うん?」
諒一の肩に額をつける一哉。
一哉の髪にそっと触れる諒一の指。
諒一「一哉…」
一哉「九年もかけて告白しに来る馬鹿を…無下にできる訳ねぇだろ…」
諒一「相変わらず素直じゃないな。こういう時は、嬉しいって言うもんだろ?」
一哉「うっせぇ馬鹿」
一哉の耳(ピアス跡)に触れる諒一。
諒一「ピアス、やめたんだ?」
一哉「耳千切られたくなかったら外せって言われたんだよ」
諒一「ああ、なるほどな」
一哉の胸元にシャツの上から触れる諒一。
諒一「それで一哉はこんなに凶悪な躰になった訳か」
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