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諒一に抱き締められ、肩口で困ったような顔をする一哉。
諒一「一哉…会いたかった」
僅かに顔をあげて諒一の顔を見つめる一哉。優し気なまなざし。
一哉「九年も待たせんじゃねぇよ」
諒一「仕方ないだろ。実績も何もない弁護士なんて相手にもされないんだからな」
可笑しそうに笑う一哉。
一哉「だからってまさか顧問弁護士とはね…諒一様には敵いませんよ」
軽く触れあう唇。諒一からの口づけに意外そうな表情の一哉。
一哉「……ったく」
衣擦れの音とともに一哉に口づけられる諒一。
諒一「っ…ふ、ぁ…一哉…っ」
一哉「好きだ…諒一」
息を詰め、見開かれる諒一の目。
諒一M「今…諒一って…」
顔を赤くする諒一。僅かに逸らした視線。
諒一「それは…狡いよ一哉…」
一哉「お前は?」
諒一「…好き。大好き…」
口づけ、抱き締め合う。
諒一「もう二度と…勝手にいなくなるなよな…」
一哉「お前こそ逃がさねぇから覚悟しとけっつーんだよ」
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