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甘えるように一哉の胸へと頬を擦りつける諒一。
諒一「どうしよう。俺お前のとこの顧問弁護士投げたくなってきた…」
諒一の額を弾く一哉。
諒一「痛いッ」
一哉「いい加減人の上で寛いでんじゃねぇよ」
諒一「こんな時くらい甘えさせてくれたっていいだろ」
離れないとでもいうように一哉を抱き締めて胸にぴったりと頬を寄せる諒一。
諒一の顎を一哉が指で持ち上げる。
諒一「ん…?」
一哉「いや、本当に戻ってきたんだなと思ってよ」
ふっと柔らかく笑う一哉と、むっとする諒一。
諒一「あんなに人の事を馬鹿馬鹿罵っておいて、今更それを言うか?」
ニッとあくどい笑みを浮かべる一哉。
一哉「ああ? せっかく九年前に逃がしてやったのに、九年かけてのこのこ戻ってきた挙句に告白までしてくれるんだぜ? 馬鹿だろお前」
諒一M「え――?」
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