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*回想 九年前。高架下
一哉が立ち去る後ろ姿。
■モノローグ 諒一
逃がしてやった…?
確かにあの時、一哉は俺から離れたけれど――。
*回想終了 寝室
怪訝な顔で一哉を見る諒一。
諒一「お前…何を隠してる?」
呆れたように笑う一哉。
一哉「なあ諒一様よ。俺はもう随分と昔からお前の事が好きだったっつったら、お前どうする?」
諒一「っ!?」
一哉「人の事ヒーローだ何だって純粋に好意向けられてよ。だからお前が言う通り、最後はヒーローらしく黙って離れてやったってのになぁ?」
唖然とする諒一。
一哉「マジでお前は馬鹿だ。どうでもいい奴を殴られてまで守ってやる馬鹿がいるか? 鈍感過ぎんだろお前」
諒一「だって親友だって…」
一哉「そりゃあお前が言ってただけだろうが。俺は一度もお前を親友だと思った事なんかねぇよ」
顔を真っ赤にする諒一。一哉と目を合わせられない。
諒一「じゃあ…俺を守ってくれてたのって…」
一哉「好きな奴が困ってりゃ助けるわな」
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