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ネコ-10-※

「四つん這いになれ」  志波は首を左右に振り否を訴えるが、そんなものを通す訳が無い。 「嫌なら、紐でベッドに固定させてM字開脚になるけど、どーするよ。俺はどっちでもいい。好きな方を選ばせてやる」 「そんなの…どっちも嫌に、決まっている」 「ケツを叩かれないと決められないのか?」  剣呑な目で見下ろすと志波は身体をビクつかせ、脚を開かれる方が屈辱的だと判断したのか、ゆっくりとした動作で四つん這いになった。 「頭を低くしてケツを高くしろ」  命じるとケツを叩かれる事を恐れてか、何も言わず大人しく従った。  高く掲げられた事により丸見えとなった秘部を更に開かせる為に薄い肉付きのケツを片方、鷲掴む。  志波は小さな悲鳴を上げ身体を震わせたが、それだけだった。抗議の言葉も抵抗も無く、羞恥心を表す様に窄みをヒクつかせている。  男のケツなんか見たって面白くも何ともないと思っていたが、何かが疼くのを感じた。 「直ぐに戻るから、このままで居ろよ」  ざわつく何かを誤魔化すように溜息混じりにそう命じると、掴んでいたケツを離し、寝室から出た。  台所からオリーブオイル。洗面所から買い置きのコンドームを持ち、寝室へ戻る。  見れば、志波は腰を下ろし、ベッドの上で土下座するような形で丸まっていた。  俺は手にしていたものを床に置くと、すぐさま志波のケツを叩いた。 「誰がケツを下げていいって言った?」  スラックスの上から叩いた時と違い、白い肌が赤く染まる。  志波は慌てて先程と同じようにケツを高く掲げて見せた。  目の前に露となった秘部へオリーブオイルを落とす。 「なっ、何……?」 「ただのオリーブオイルだよ」 「何で、そんな……」 「何でもいいんだろ? だったら黙ってケツ上げてりゃいいんだよ」  手にしていたオリーブオイルの瓶を床に置き、持って来たコンドームを右手の指に嵌めると、左手で片方のケツを掴み開き、きつく窄まった穴に右の人差し指を這わす。  皺を伸ばすように撫でていると、くすぐったいのか気持ち悪いのか志波は腰を引いて逃げようとする。  それでも執拗に穴を撫でる。 「大黒…もう……」 「あ? 中に欲しいって?」 「ちがっ……!」  秘部へと指を沈めると志波は身体を仰け反らせた。 「ひやっ!」 「何でもいいって言うだけあってすんなり入ったな。何時も自分で弄って遊んでんのか?」 「してない。そんな事…」 「本当か? これなら二本目も簡単に入りそうだな」  指を抜き挿し、内壁を探るように執拗に撫でる。 「やっ、へん…へんだ…から…」  止めてくれと言いたいのだろうが、そんな言葉は聞いてやれない。  何でもいいと言ったのはお前だ。  軽はずみな言動と覚悟無き選択を後悔しろ。  俺は志波の中に深く沈めていた指を引き抜き、二本に増やして秘部へ押し当てる。  柔らかく解れたソコは、見る見る間に指を呑み込んで行く。 「っ、あ……ああ!」 「余裕だな」  ぬるぬると指を挿し込みながら円を描くように内壁を探るような撫でていくと、ある一点で志波が大きく反応を示した。 「ここか?」 「ちっ、違う!」 「そうか?」  意地悪く指の腹でソコを執拗に責める。  甘ったるい呻き声上げながら志波は身体を大きく揺する。 「その割に、嬉しそうにケツ振ってんじゃねぇか」 「う、う…っ」  与えられる快感に細い腰を上下にカクカクと揺らし、耐え切れず腰を下ろそうとするが、すかさず叩きつける。 「(しっか)りケツ上げとけよ」 「うっ、んっ!」 「本当に何でもいいんだな。どうでもいい男の指を美味そうに銜え込みやがって」 「ちが…違う……」 「嘘吐くなよ。前ガチガチにしてエロ汁だらだら垂れ流してるだろうが」  認めろと言う様にぐっと奥まで突き入れると、甘い悲鳴と共に身体を(しな)らせた。 「はぁあん!」  くちゅくちゅと卑猥な音を立てながら指を出し入れしていると、志波が切羽詰った声で懇願した。 「まえ、いっ、痛い…出させて……」  そう簡単にイかせてしまってはお仕置きにはならない。  入れていた指を引き抜き、両手でケツを鷲掴み、穴を開く。 「ひっ! なに……なにを……?」 「これなら三本目もいけそうだな」 「む、無理…二本でもきついのに……さ、三本なんて……」 「連れ込まれた時点でお前に拒否権なんかねーんだよ」  両方の親指をケツ穴をに挿し込み、押し広げる。 「ひゃぁっ!」  誘うように赤く蠢くソコに、思わず生唾を飲んでしまう。  邪念を振り払うように頭を振り、親指を外すと、指三本を改めてケツ穴に押し当て、ゆっくりと忍ばせる。  質量を増した事で中々入らないが、先端が入ると後はずるりと一気に飲み込んだ。 「あああっ……!」  ベッドに沈めていた上半身を仰け反らせ、全身を振るわせる。  震えが治まらないままの志波の体内(なか)から指を引き抜こうと動かす。 「やっ、きつい、から! 待って……まっ!」  志波の制止を無視しずるずると指先まで、引き出し、再び奥まで入れる。 「ひぃん!」  快楽よりも痛みが勝るのか、先程まで張り詰めていた志波の性器はしな垂れている。 「ひっ…う、うっ……ん!」  情けない呻き声を上げながら、必死にケツへの責めを堪える姿に嗜虐心が刺激される。  ゆっくりと抜き差ししていると、ギチギチに締め付け抵抗を示していた穴が徐々に緩み、志波の呻き声にも甘さが滲み出した。 「無理って言ってたわりにもう馴染んだのか?」 「うっ、ん…ふん」 「緩いケツだな」  志波の弱い場所を指の腹で執拗に撫でてやる。 「そんなギュウギュウに締め付けるなよ。動かし辛いだろうが」 「む…り、むり…だ……やめ……」  止めてくれと懇願する言葉とは裏腹に、志波の性器は再び屹立し、淫汁を流していた。 「いっ、痛い……まえ…苦し…い。出させて…出したい……」  腰をガクガクと揺らし必死におねだりする姿に、喉の奥がなる。 「イきたいなら勝手にイケよ」 「手を…とって……解いてくれ!」 「あ? 後ろだけでイけるだろ? 手伝ってやるからイケよ」 「そん…な…あっ!」  指の抜き差しを激しくすると、駄目だ止めてくれと訴えながらも指の動きに合わせてケツを振っている志波の痴態に、俺の下半身は熱を持って勃ち上がっていた。  徐々に淫らに激しく腰を振る志波の動きに合わせ指の挿入をしてやる。 「やっ! だめっ!」  ぐちょぐちょと卑猥な音と切羽詰った志波の甘ったるい声に脳が痺れる。 「あっ、や……」  もっと乱れさせたい。  啼かせたい。 「あぁ…ん」  イク姿を見たい。 「やっ……」  ヒクつく内壁を執拗に嬲っていると、ぎゅっと指を締め付けた。  次の瞬間。 「はぁ! あぁぁぁぁ!」  弾かれたように身体を大きく仰け反らせたかと思うと、そのままベッドへ沈み込みビクビクと全身を痙攣させた。  志波の体内(なか)から指を引き抜こうとすると、過敏になり過ぎた身体を撓らせ、小さく呻く。  絶頂を迎えた身体の熱を逃がすように、忙しない呼吸を繰り返しながらぐったりと横たわる姿に、後味の悪さが広がる。  ここまでするつもりはなかった。  何でもいいと吐き捨てた志波に後悔させてやろうと思っただけだ。  ケツを晒させて指の一本を挿入してやれば、痛みと屈辱覚え、軽はずみな言動も行動も慎むだろうと。  だというのに、志波がケツ穴をヒクつかせている姿を見て、何かがブッ飛んだ。  正直言って、いじめたくなっちまった。  灸をすえるとかそう意味ではなく。  変態に気を付けさせようとして俺が変態になってどうするんだよ。  大きな溜息を吐き、身体を震わせたままの志波に近寄り、ベッドへ固定していたベルトを外す。  次いで手首に巻きつけているガムテープを剥がそうと手を取ると、志波は濡れぼそった目で見詰めた。 「もう…終わりなのか?」  ……ん?  何となく、残念がっているように聞こえたのは気のせいだろうか? 「どうでもいい奴にケツ弄られて懲りたろ」  バリバリとガムテープを剥がしていくと、自由になったとたん志波は俺の股間に手を這わせた。 「硬い……」  うっとりと呟き。 「君の言いたい事は分かった。ただ…その…君の太くて硬いモノでもう少し思い知らせてはくれないだろうか?」 「は?」  志波は勢い良く起き上がり、逃がさんとばかりに俺の腰に抱き付く。  態となのか偶々なのか顔が股間の位置に来ており、俺のソコに頬擦りするかのようになっている。 「だっ、駄目だろうか? 勃たせているという事は僕に興奮を覚えてくれたのだろう?」 「ま、待てっ!」 「硬度が足りないようなら助力するから……」  そう言って志波はファスナーの金具を口で下ろそうとする。  だーーっ! 何やってんだお前は!  イッたついでに頭のネジがぶっ飛んだのか!? 「離せ!」  引き剥がそうと志波の両肩を掴み押し返すが、細いとはいえ、相手は同じ男だ。簡単にはいかず、そうこうしているうちに二人で床に倒れた。 「後生だから君のモノで僕をお仕置きしてくれ」  倒れた拍子に俺の上に乗る形となった志波はハァハァと鼻息荒く訴える。  妙なスイッチが入った頭にチョップを落とし、鎮める。 「落ち着け! あと、今直ぐ俺の上から退け!」 「退いたらお仕置きしてくれないだろう?」 「お仕置きお仕置きって、処女でビッチか!? そんなにケツが寂しいならその辺にあるもの適当に突っ込んで遊んでろよ。人をバイブ代わりに使おうとするんじゃねー!」  腹立たしさからそう言い放つと、志波は一瞬にして熱を失い、表情を凍らせた。  のろのろと緩慢な動きで俺の上から退くと、その場に正座した。  先程までの勢いは何処へやら。痛々しい程に身を縮め、しょぼくれている。 「……すまない。君にお仕置きされる夢が叶って、興奮のあまり我を忘れてしまった。不快な思いをさせたな」  膝の上で握った拳を震わせ、頭を下げた。 「おい。顔を上げろ」  言うと、志波は素直に顔を上げ、申し訳なさそうに俺を見詰めた。 「お前、俺にお仕置きされるのが夢って何なんだ?」 「そ、それは……」  耳まで赤く染め、目を彷徨わせている様子から答えを聞かずとも分かる。 「俺の事が、好きなのか?」  確認の為に問えば、弱々しい声で「ごめん」と返された。 「で。お仕置きお仕置き言っているのはSM好きって解釈でいいのか?」 「ち、違う。そんなんじゃない!」  黙ってその先を待っていると、志波は言い辛そうに俯き、もじもじと太腿の上で手を握り合わせ、離し。また握っては離しを繰り返す。 「言わないとSM好きだと認定するからな」  意地悪く追い詰めると、弾かれたように顔を上げ俺を睨むが、直ぐに俯いた。 「その……知り合いが貸してくれた如何(いかが)わしいDVDの内容がお仕置きもので、それ以外のDVDを見た事が無かったから、一人でする時は何時もそれを思い出していた所為で……」 「相手を俺に摩り替えてヤッてたんだ?」  志波は顔を真っ赤に染め、俺を上目遣いで見ると、やはり「ごめん」と呟いた。  何なんだこのクソエロ可愛い生き物は?  友達だと自分で言ったのに。  男だって分かっているのに。  犯したい!  今直ぐぶち込んで、ドロドロにしたいじゃねーか!! 「志波。お前、俺を使って色々妄想して悪い奴だな」 「す、すまない……」 「悪い子にはお仕置きが必要だよな?」  何を言われたのか分からないようで、志波は怪訝な顔で固まった。 「にどうすれば良いお仕置きになると思う?」  意味ありげに微笑み尋ねると、何を云わんとしているか察した志波は顔を引き攣らせた。  熱と勢いを失った今。太腿の上で握り締めた手を更にきつく握り、瞬きを繰り返している。  決心がつかないのか、口を真一文字に閉じ、視線を彷徨わせる。  決心を促す為に態とらしく大きな溜息を吐くと、志波は肩をビクつかせた。  ぎゅっと両目を力一杯瞑り「頑張れ。やれば出来る」と呪文のように呟き、再び目を開くと正座を崩し、ベッドへと身体を寄せた。  ベッドの縁に背を預けると体育座りをし、下唇を噛み締めながらそっと脚を開く。  上はコートからセーターにシャツまでカッチリ着たまま。下半身のみ素っ裸な状態でM字開脚しているだけで十分エロいが、志波は太腿の裏から両手を回し、自らの尻を開かせるようにした。  耳まで真っ赤にし、今にも泣きそうな顔で必死に羞恥に堪えているのが堪らなくエロ可愛い。  つーか、そういう感じのDVDだったんだな。 「…ぉ…の……ぃ……て……」  声が小さ過ぎて何を言っているのか分からない。 「はぁ? 何言ってんだ? 聞こえねーて」  首を傾げてみせると志波はますます泣きそうな顔になり。 「…ぉ…おぐろ……」 「うん?」 「ぉ、お…大黒くんの…ふ、太くて硬い肉棒で……ぼ、ぼくのい…やらしい穴を、お仕置きしてくれ!」  何で『くん』付けなのか突っ込みたいところだが、それよりも先に処理すべき問題はお互いの下半身事情だよな?  うっすら涙目な志波の顔に手を這わせ、唇で止め、親指で上唇から下唇を撫で上げる。 「覚悟しろよ。足腰立たなくなるまでお仕置きしてやるからな」  フッと口の端を上げて笑うと、志波は涙を浮かべ嬉しそうに微笑んだ。

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