3 / 141

カーティス(3)

力なく投げ出された体を眺めながらカーティスは興奮した (子供だぞ…?なのになぜこんなにも興奮するんだ) 貴族の子弟ばかりの騎士学院で寮住まいのカーティスはすでに同性との行為は経験済みだったが 天使が降臨したかと見紛う容姿の異母弟を前にして その時の興奮とは比べ物にならない背徳感が更に興奮を誘った。 5~6歳かと思った異母弟は、執事に聞いいた話だと10歳だそうだ 「発育が悪いな…」とつぶやきながらフェルの喉元に触れてみる。 ゾクゾクッ 悪寒ではない何かが背筋を通り抜けていく。 首から鎖骨へと指を滑らせたとき、ふと革紐がかけられていることにに気づいた。 (なんだこれは…?) 引っ張ってみると革紐の先には光沢のない乳白色の石がくくりつけられていた フェルの首からはずし光の方に向けてみるがたいして美しくもない石だ。 「何だつまらん」 と言いながらベッドの向こう側に投げ捨てた。 ****************** 「う……」 頭がクラクラする ぼやける視界に入ったのは自分の体を膝で跨ぐようにして半立ちになる異母兄の姿だった。 「にぃさま…?」 ボンヤリとしながらそう問いかけたときハッとさっきされたことを思いだした。 ガタガタと体が震えると同時に腕の自由が効かないことにも気づいた。 上半身が裸にされ自分のシャツで両手首を前に縛られ 長身の男にまたがれ見下されている。 信じられないようなこの状況と この人が自分の異母兄だと言うことが飲み込めずにいると 「名前は?」 「……っ…」  ガタガタ震えてうまく声にならない 眉をひそめたカーティスが再び問う 「名前だよ 異母弟クン」 ニヤリと笑う唇の薄さが先程うちすえられた伯爵夫人にソックリで恐怖におののく ( 答えないとまたぶたれる!) 「…ッル……  フェ…ル…!」 喉から絞り出すようにようやく答えるフェル 「ふぅん…」 婦人の扇で叩かれてまだ赤く腫れている頬にユックリとカーティスの指が触れる 窓からの光によりクルクルと色目の変わる瞳から目を離せないままカーティスは顔を寄せた 恐怖で目を閉じ顔をそむけるフェル 左手で顎をつかみ自分の方を向かせ 「目を開けていろ」 と命令する 恐る恐る目を開けるといきなり唇を奪われた それは母とする小鳥のついばみのようなのキスとは異なり、激しく吸い付き口の中にまで舌が侵入してくるディープなものだった。 「っやぁ…だ…はぁっ!…やめ…っ」 と身を捩って抵抗を試みるが、身長差が大人と子供ほどもあるので カーティスにとっては微々たる抵抗である。 口の中を陵辱され唾液を送り込まれる不快さに涙が溢れてくる。 やっと唇が離れたときカーティスは言った 「うつくしいな……」 クルクルと光を受け色が変わっていた瞳はあふれる涙によりユラユラと揺らめきを加えていた。 なぜこんなことをされるのかわからないフェルは とにかく逃げようと体をひねって上半身をなんとかうつぶせにした 「……!!」 なんだこれは…? カーティスは逃げようとするフェルの体を再び上からおさえつけマジマジとその背中を見た。 「キャァアアアアアッ!!」 あまりの痛みに叫ぶフェルだがうつ伏せにされベッドに沈み込んだ体のせいで やわらかな寝具にその叫び声は吸収されていく。 (天使の羽をもいだ後…?) 背中の肩甲骨のあたりに古いものや新しいもの数々の傷跡があった。

ともだちにシェアしよう!