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カーティス(4)

「ぅっ…ヒック……っあっ…」 泣くフェルの背中をそっとカーティスの舌がなぞった 「ひぃっ………!?」  傷口を舐められる感触に震えながらフェルは言った 「お…おゆるしください おゆるし……を」 なめながらカーティスは問う 「誰にやられた?」 頭を左右にフルフルと振るだけで答えようとしないフェル その背中の傷の1つにギリリと爪を立てる 「ぅううううああああああっつ!!!」  悶絶するフェル その傷から染み出した血をなめながら 「聞こえないのか?俺の問には1度で答えろ  誰にやられた」 息も絶え絶えにフェルは答えた 「は…ははうえさま……」 ****************************** この母上様というのはフェル実母のことではなく カーティスの母であるラ・トゥール伯爵夫人のことであろう 王族を母に持つ誇り高いあの人が 夫である伯爵の普段からの数々の浮気行為に耐えていた 自分は伯爵夫人であり子も2男1女をもうけ揺るぎない地位にいる 伯爵が自分に興味をなくしていることには気づいていたが 自分だけが妻と名乗り子を生むことを許された者だという誇りが フェルの登場によりもろくも崩れ去ったのだ。 そんな母の気持ちもわからないでもないが いささかやりすぎだ この傷は痕になるな… 天使の羽を奪われた天使はどうなるんだろうと考えると また興奮してきた

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