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光り (1)

大聖堂(カテドラル)から校舎棟へ続く並木道の 周りの木々よりひときわ大きいマルブランシュの木 そこにフェルは授業帰りに必ず立ち寄る いつも「先に帰ってて」と言われるネヴィルは帰ったふりをして コッソリとフェルが何をしているか見ようとしていた 木々の間を小さなフェルの金髪が進む その後ろを隠れながら追う 今日は1日中 顔が紅潮して熱でもあるのかと心配された 昨日の夜見てしまったフェルの顔を思い出すと いつもどうりにうまく話せない自分がいた フェルが立ち止まり他の木よりも樹齢が長いであろう老木に抱きついた 直径1Mもありそうな巨木と比べるとフェルの身長は小人のようだ 抱きついたまま動かない そのフェルが霞む 「なん…だ? 霧か…?」 この陽気に霧とも思えない 霧?光り?がフェルの周りにまとわりつくような不思議な光景 (オレの目…疲れてんのかな?) 老木に抱きつき空を見上げるフェル 葉っぱの隙間から真っ青な空と真っ白な雲が見える 「だいじょうぶだよ」 誰にともなくつぶやくフェルの前髪が風に揺れる メガネが邪魔でよく見えないが 昨夜のフェルの顔を思い出し心臓の音がが早まる その時ネヴィルの後ろから唐突に話しかける者がいた 「なんなんだろな あの光り?みたいなのは」 (「うわっう!!ビックったー!!」) 叫びそうになるネヴィルの口を急いで押さえたのは 初等部からの腐れ縁のロジェだった シーシーシー! 口を押さえられたままウンウンとうなずく ロジェは公爵家の乳母の子で アークライトに命じられフェルを見張っているのだと言った 「なんでフェルを見張る必要があるんだよー」 不満げなネヴィルがプンスカと怒る 「オレだってわかんないよ でもちゃんと見とかないとドヤされるからな」 そう言いフェルを見やる 爽やかな風が吹き抜ける 「キレイ…だな…」 「おう…」 何がとは言わず 二人は光に包まれるフェルを見ていた

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