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降誕のファザード【4】

『…すまなかった』 そう言いジュリアス様は出ていった 窓の外を見ると雲に覆われて真っ暗だった空が ウソのように澄み渡って月が光り輝いていた 反対側の窓を見ると 1つまた1つと 流星が流れ落ちていく 一緒に見たかったな… どうしてアーク様じゃなくジュリアス様がいたのか どうして口づけをしたのか どうして… どうして? 頭がうまく回らない 手でそっと唇に触れてみる ジュリアス様の唇の感触が蘇る 好き…って言いそうになった どうして突然いなくなっちゃったんだろう 考えても考えてもわからない 流れ落ちる流星群を見つめていると 大きな音でドアが開かれ 胸を押さえながら汗だくのネヴィルが倒れ込んだ 「…っ!はぁ…はぁっ…!! フェル!!!」 「ネヴィル…?」 床にペタンと座り込んでいたボクのところまで這いずって来たネヴィルは ボクの体を触りながら 「どこもなんとも…なぃか…?! 何もっ…されてない?」 ゼェゼェと整わない息であちこち触りまくる 「やだ ネヴィルったら くすぐったいよ」 「あ…ごめ」 どうしてこんなに息切らしてここに来たんだろう?と不思議に思っていると 同じように息を切らしたロジェとアーク様もやってきたんだ **************** あの後 誰の仕業なのか?誰も来なかったか?と問い詰められたけど ボクは何も言わなかった 「どうせまた あのフロランじゃねーの?」 聖歌隊の事件以来なにかとボクに意地悪をしかけてくる フロランが疑われた 面と向かっての罵声や 足を引っ掛けて転ばせるなど フロランにはイジメともとれるような扱いを受けていた 今回のことは濡れ衣なのだけど 申し訳ないと思いつつもそのままにしておいた…

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