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Petit frèreの相手は?【1】

部屋に戻るとネヴィルはまだ戻ってきていなかった (みんなと屋上で流星を見るって言ってたっけ…) お風呂に入った後 下着を身につけ ワンピース型の夜着を着る前に姿見で自分の背中を見てみる 背中に広がる引き攣れたように薄いピンク色に盛り上がる傷跡 (醜い…) ボクを膝に乗せ抱きしめてくれたジュリアス様のあそこが固くなっていて キスのその先を想像してボクのあそこも固くなっていた シャツを脱がされキスをされ… その先をどういうふうにするのかわからず でも期待していた… この傷を見た途端ジュリアス様は怖い顔になって その後キスをおねだりしても 舌を絡ませるようなキスはしてくれなかった… (こんな醜い傷を見て嫌になっちゃったのかな…) 悲しい気持ちになり涙が出そうになった時 部屋のドアが開きネヴィルが帰ってきた *******ネヴィル視点********* 寮棟の屋上で見た流星群は今年も素晴らしかったが 遠くにボンヤリと浮かぶ大聖堂(カテドラル)が気になって仕方がなかった (今頃あそこでフェルはアークライトと…) 汚れなきフェルの体を好きなようにしてるかと思うとムカムカしてきたが 両思いならば悲しいことだがオレの出る幕ではない… モヤモヤしながら部屋に戻ると 下着姿で涙ぐむフェルがいた――― 頭に血が上る よく見るとフェルの鎖骨のあたりにキスマークなのか?赤くなっている部分があった 「どうした?何されたんだ!」 フェルの両手首を掴み問い詰める 「ネヴィル…」 フェルの双眸から滂沱のごとく涙が溢れた オレの胸に倒れ込んで抱きついてきたフェルを抱きしめる (あんの銀髪野郎…オレの可愛いフェルを泣かせやがって) ギリリと歯を食いしばりフェルの肩を抱く手に力を込める エグエグと泣くフェルが落ち着くのを待ちながら オレもオレの息子に落ち着けと諭した 「汚い…?」 オレの胸の中でポツリとフェルが言った 「何が汚い?」 「背中…」 (ああ…この傷の事を言ってるのか) 同じ部屋になって男同士ということもあり お互い気にもせず着替えをしてたため何度もこの傷は目にしていた フェルの背中にある天使が羽をもがれたかのような傷は 肩甲骨を中心に薄ピンクに広がり この傷がつけられた時のフェルを思い心が痛くなることはあっても 汚いなんて1度も思ったことはなかった 「汚くなんてないよ」 「ほんとに?」 「ホントだよ」 そう言いながらフェルの背中に手を這わす (汚いなんて…アイツがそういったのか?) 落ち着いてきたフェルは鼻をスンスンとならしながらも健気に笑顔を見せた 「で 大聖堂(カテドラル)から見る流星はどうだった?」 オレは何事もなかったかのように話しかけた 大聖堂(カテドラル)は寮棟の屋上より高い位置にあるためさぞかし絶景だったろう フェルは流星の美しさに感動したという話をしながら 時折何かを思い出したように頬を紅潮させ幸せそうな顔をし そしてまた不安そうな悲しげな顔もした (フェルになにしたんだアイツは…) 次の日の朝 オレはアークライトの部屋に殴り込んでいた

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