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真実【4】

ジェイだ――― 忘れるはずもない幼き日のジェイ――― ボクの最初の友達 そのジェイの写真がここに… 懐かしさと嬉しさに涙があふれる 瞬きもせずとめどなく溢れる涙を拭いもせず ただひたすらフェルは写真を見つめ泣いていた ジェイじゃない…そう思ってた ジェイじゃなくってもボクはジュリアス様が好きだった でも…でも…! ―――ジェイだった――― 苦しかった日々 思い出すのはジェイと過ごした日々 あの幸せな思い出があるから何度ツライ事があっても乗り越えられた いつかジェイに会う その日までは死なないと――― Tシャツの中のジェイの石を服の上から握りしめる 王子様がボクなんかと遊ぶために来るわけがないと 何度もジェイじゃないのかと考え…否定してきた… 会えてた…もう会えてたんだ… ********テオフィル視点********** こいつに身分の差というものをわからせてやろうとこの部屋に連れてきた 生まれも定かでないような一般庶民のお前と 由緒正しき王国の王子との差を見せつけるために――― 少しは身にしみて感じたかと様子を伺っていたが ある1枚の写真の前であいつは動かなくなってしまった 殿下の幼少の麗しさ可愛らしさに感動でもしているのかと 顔を覗き込んでみたら 声も出さずに涙を流していた 涙が宝石のように煌めく双眸からとめどなくあふれる 一体どこからそんなにも沢山の涙が出るのかと感心するほどに 宗教画の天使かと思うほどに整った美しい顔が ただただ写真を見つめ泣いているのを永遠に見ていたい衝動が沸いてきて戸惑う 殿下がこいつに惹かれるのが少しわかった気がした 身分や性別をさておいてもこの美しさは――― 手に入れたくなっても仕方がないと納得してしまう 泣くほどに殿下を好きなのか… しばらく眺めていたが動きそうもない そろそろ殿下が戻ってこられる時刻だ 動かないこいつの手を取り殿下の部屋へと戻る 私に手を引かれていることも気づいてないような 心がどこか遠くに行ってしまったかのような表情でとめどなく涙を流している こいつ大丈夫なのか?

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