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誘拐【6】

鎖の長さが調節され床に座るフェルの横で、鞭の痕が痛々しいコピーが膝を抱え蹲っていた。 背中を見ると無数のミミズ腫れがあり、その幾つかは切れ血が流れていた。 手当をしたいがフェルは後ろ手に拘束され、首には天井からの鎖があり出来なかった。 「コピー なんで君は逃げないの…?あそこに落ちてるナイフを拾って逃げて」 ドアを開けたまま部屋から出ていったカーティスが戻ってくる前に逃げるよう小声で説得するが、ピクリとも動かない。 「コピー…」 コピー(複製)だなんてなんて悲しい呼び名なんだろう 「君の本当の名前は何ていうの?」 「……」 さっきまであんなにテキパキ動いて会話も成り立っていたコピーだが、フェルと二人になると動きもせず話もしなくなった。 コツコツと足音がしてカーティスが戻ってきた。その手には食事とおぼしきパンとペットボトルがある。それを床に置くと落ちていたナイフを拾い上げた。 「押さえろ」 そう聞くなりコピーがボクの腕を両手で固定する。 ナイフが迫る。 「ひっ…」 カーティスはボクの前髪を鷲掴みにすると、ナイフを目の前にかざす。 (悪魔の目をエグられる…!) 「やだっ…助けて!!!」首の痛みなんて関係なく鎖の音をさせ暴れるフェル。 「しっかり押さえとけ」 目を瞑り暴れるフェルの膝にコピーが乗り体重をかけ体を両腕で押さえる。 「やぁあああああああ!! コピーーー!たすけて…っやだあああー………」 チッ  舌打ちの後、カーティスがフェルの唇に唇を重ね叫びを封じた。 「ぅ…っ やぁ…だ」 髪が抜けてもかまわないと頭を振り逃れようとするフェルの顎を掴み、鼻をつまみ呼吸できないようにする。苦しさにフェルが口を開くと舌をねじ込んできた。 (やだ…!!) ガリッ!! 「いっ…!!」 痛みに離れたカーティスが床につばを吐くと、それは血が混じっていた。今まで無表情だったコピーが驚いたようにフェルを見上げる。 「…違う、昔のお前はそんなじゃなかった、もっと素直でオレの舌に舌を絡ませて喜んでたじゃないか?」 「誰がっ!」 ボクに無理やりした行為を喜んでただって…!? 悔しさで怒りで目眩がする。 「思い出させてやろう…あの時のことを」 ニヤリと嘲笑う口元が悪魔のように見えた――― ペロペロと背中の傷を舐める。 「誰にやられた…?」傷に爪を立て抉るようにして問うカーティス。 「ぅうう!!!」  流れる血を舐めながら再度問う。 「『聞こえないのか?俺の問には1度で答えろ、誰にやられた』」あの時と同じセリフを言うカーティス。 「は…ははうえさま……」 痛みに顔をしかめ背中から新たな血を流しながら答えるのは、フェルではなくコピーだった。 「やめて…やめてよ!」近寄ろうと体をよじるフェルだが後少しで届かない。コピーの体を床に横たえるとカーティスは深い口付けをした。 クチュ…クチュ… コピーの顎から溢れ出した涎が首まで流れる。それを舐め取るカーティスの頭を抱えるようにしてコピーが喘ぐ。 「っはぁ…にぃさま…」その唇が小さな乳首に到達すると、ネットリとこね回し吸い付く。 「あぁ…やぁだ…」 「いやじゃないだろう?」 「…あぁん」 何を見せられているんだろう。あの時…? あの時のボクは喜んでなんかなかった。なのに今、目の前のコピーは愛しそうにカーティスの頭を抱え喘いでいる。 コピーの姿にあの日の自分が重なる。カーティスにされた性行為が鮮明に蘇る。 (っった!たすけてええええええ誰か!) コピーを抱き上げ革製の椅子に、腕を後ろ手に拘束し固定すると 「さわってほしいか?」とカーティスが問いかけた。 フルフルと頭を振るコピー。 「さわってほしいだろ…?」 ニヤリと残忍な笑みを浮かべるカーティス。 コピーのズボンの前を寛げカーティスがまだ幼いペニスを取り出すと、それはすっかりと勃起していて先走りの露を溢れさせていた。 そこを捕らえられいやらしい手つきでくびれを刺激される。 「あぁ…にぃさま… 嬉しいもっと」 違う… 記憶の中の…あの日のボクはこんな風に喜んでなんかない―――!

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