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脱出 【4】
―――見つかった
ボクとコピーは固まる。ダメだ…もう逃げられない。
「その馬はやめとけ、ジークフリードのほうがいい。あいつの持久力ははんぱねーから」その声の主は、ソバカスだらけのとうもろこし頭の親友だった。
「ネヴィル!」
「おぅ」 ニカッと笑う親友。
「訳は後でユックリ聞くよ、あそこに戻るんだろ?」
「うん コピーとにぃさま を逃がすんだ。だからジークじゃ無理だよ、ジュリアス様しか乗れない」
「だからだよ」
意味がわからない、乗れない馬でどうやって逃げるのか。
「こいつはジュリアス様しか乗せない馬だ、それはみんな知ってる。だけどコイツはフェルの言う事なら聞く。言い聞かせるんだジークに」
「そんなこと…できるかな?」
「できるさ なっ?ジーク?」ジークフリードの首を触ろうとして髪の毛をむしられるネヴィル。「っってええええなーもう!」
フェルがジークの顔に両手を伸ばすとジークがその手に顔を寄せた。
「お願い…ジーク、ボクらを乗せて?そしてにぃさまを助けて?」
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トントン
部屋のノック音にギクリとするフロラン。フェルの夜着に着替えて眠そうな顔をしてドアを開けると
ジュリアスが立っていた。
「フェルに会いたい…入れてくれ、顔を見てないと不安なんだ」
こういう事を想定していたフロランは、ジャージャーとシャワーの音をさせた風呂の方を親指で指し
「風呂入ってるし 疲れてるから寝かせてやったら?やっと帰ってきたんだから、うっとおしく纏わりつかなくても明日でいいでしょ」いつも以上に無礼な物言いでジュリアスをドアから遠ざけ廊下に押し出す。
「こういう事されると寮の風紀が乱れるんだけど?さっさと5階に戻ってくださいよ、殿下」
そういいドアを閉めカギを掛けた。しばらく部屋の前で逡巡していたジュリアスだったが、どうしようもなく5階に戻っていった。
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ネヴィルがコピーに話しかける。
「また会おうぜ 落ち着いたら電話してくれ んで一緒に遊ぼうな!」微笑みながらコピーはしっかりと頷いた。
コピーとボクはジークフリードに乗り厩舎を出た。屋敷までの道はコピーがわかるという。
乗馬の授業があって良かった…ジークはおとなしくコピーも乗せてくれた。
西門にさしかかる。門を開けなきゃ。ジークフリードから降りようとした時、門の前に人影が見えた。
それは王立警察長官の息子であり、正義感の塊のような友人クリストフェルだった―――
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