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第20話 ツミはミツ

 先走りが滴り落ちる床に今度は寝転がって、着崩れた着物を肌にまとったまま。 「あ、ぁっ、せんせい、や、だっ、口に出しちゃうっ」  あの先生の口に犯されてるの。先走りをすすられて、唾液を代わりに塗りたくられて、恥ずかしいけれど気持ちが良くて今にも射精しちゃいそうで、たまらない切なさに脚が閉じたいって力を込めるけど。 「やぁぁぁあっン、や、強いの、らめっ」  それを大きな手が叱る。閉じたいって力を込めた分、強引に割り開かれて、吸っちゃダメって言ったのに先走りを啜り飲まれて、あの舌に先のとこの小さな口の中まで舐められる。 「あぁぁああっ」  たくさん妄想したやらしいことよりもずっとやらしくて、ずっと気持ち良くて。 「あ、あっ、せんせ」  舌で、指で、犯された身体はトロトロに蕩けてしまう。だって――。 「せんせ……ン、ぁ、もっと」  だって、ずっと先生とセックスしたかった。  女の人みたいに抱かれたかった。 「ぁ、ン」 「……」 「ぁ、だめ、先生、離して、出ちゃう、の」  でも、俺は男だから、女の人ならしてもらえないことをしてもらえる。  フェラチオ、してくれるなんて。 「や、先生ってばっ」  先生の口の中でペニス扱かれて、舌にさきっぽをいじられてる。 「あ、あ、あっ」  大きな手に裸のお腹を撫でられて、感じちゃって声を零せば、その手に今度は乳首を、摘まれた。 「あ、こんなのっ」  知らない。乳首って、こんなに気持ちいいのなんて、オナニーの時にだっていじったのに。 「あ、あっ、センセ、先生、もっ……ぁ、ひゃあああああっ」  乳首をきつく抓られたら、その途端に弾くように飛び上がるけれど、力強い腕に押さえ込まれてて身動きひとつできない。ただ、跳ねた腰で先生の口の中にペニスを擦り付けてた。 「先生、イッちゃぅ」 「……」 「あ、あ、あ、ホントに、イっちゃうっ」  数学の授業の間、シャツにネクタイをした先生の背中を眺めてはドキドキして、腕まくりをした腕に抱かれることを想像しては夢見心地になって、数学の公式を教えてくれる声に耳元で名前を呼んでもらえることを思って蕩けて。  ずっと、先生に抱かれたらどんななんだろうって思ってた。 「あ、あっ、だ、め、なのっ、ぁ、あ、あ、あ、っ」  たくさん妄想してたのに。たくさん想像してたのに。これは知らない快感。知らなかった快楽。味わったことのない刺激。 「ぁ、あーっ!」  びゅくりと弾けて、先生の口の中に射精した。舐められて充分に濡れた孔で先生の指をきゅううってきつく締め付けながら、イった。 「あっ…………」 「もう反省したか?」 「……」 「悪いことは、もう、しないか?」  俺は悪い人。悪いことばかりをする、悪い子。それでいいよ。犯罪でもなんでもいいから、先生とセックスしたい。 「する……」 「……」 「俺、悪いこと、するよ?」  神聖な道着をセックスで汚してしまうような、床を自分のいやらしい体液で濡らしてしまうような悪いことをするんだ。 「だから、早く」  脚を広げて、自分の手で抱えながら、もうきっと先生のペニスを入れてもらえる孔にちゃんと柔らかくなったそこを見せる。  お仕置きしてくださいって、広げて、それで先生を見た。  さっきまで学校の先生らしかったネクタイを邪魔そうに緩めて放り投げ、シャツをしかめっ面で脱いだ先生がスラックスの前をくつろげたところを。 「あっ……」  ガチガチに張り詰めたペニスが俺の中に入ってくる、ところを。 「あっ! ぁっ」  見つめながら。 「ぁぁあっ、せんせいっ」  奥まで挿れてもらった。 「あ、あっ、あっ……」 「っ、狭い、な」 「ぁ、これっ」  こんな奥まで先生で埋まってる。こんな太さまで先生のペニスで広げられてる。こんなに中が先生の形になってる。 「葎、きついだろ」 「や、だっ」 「いったん抜い」 「やだっ」  息もできないくらいにいっぱいで苦しくて。息をするのも忘れるくらいに気持ちイイ。 「嬉しいの」 「……」 「直江先生とできて、嬉しい」 「っ」 「! や、嘘、奥、ンっ……ぁ、ぁ待って、あ、あっ」  俺の指じゃ届かなかった奥のとこをコツコツされて、お腹の底がぎゅうううってしがみ付く。苦しいのに、中でもっと大きくなったのが嬉しくて、もっともっとって。 「待って、先生っ、ぁ」 「っ、お仕置きだって、言ってるだろ」 「あ、あ、あっ、あっ」  ずちゅ、ぐちゅって、やらしい音が道場に響く。 「せんせ、キス、して、声、出ちゃう」  誰にも聞かれちゃいけない、知られたらダメ。誰にも見せてなんてあげないんだ。 「声、出ちゃうから、舌、して?」  俺と先生のセックスはとてもとっても悪いことだから、誰にも――。 「ン、んんっ、ン……ンくっ、ん」  激しくて強くて、すごいの。突き上げられる度にずり上がりそうになるけれど、逞しい腕がそれを阻止してくれる。これはお仕置きなんだから、ちゃんと受けないといけないから、こうして、何度も何度も貫かれるんだ。  何度も何度も、犯される。  何度も、夢見た先生とのセックスに溺れる。 「あっ、ン……せんせ、せんせっ」 「っ」 「先生、っ」  ぱちゅんぱちゅんって、やらしい音が唾液でほぐれた孔から聞こえた。 「せんせ……」  首にしがみついて力強く貫かれながら、孔でしゃぶりついて。唇でキスして、舌で舐めて。 「直江……せんせっ」  激しくて、先生の荒々しい腰使いに翻弄されながら。 「大好き……」  悪い子な俺は今言ってはいけない言葉を口にした。 「あ、あ、あ、あっ、ぁっン、あっ……あああああああ」  悪いことなのに嬉しくて幸せで、たまらなく気持ちイイって甘い声で啼いていた。

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