お前ね……ホント……、そう呟く先生の声は少し掠れててとても色っぽかった。 　キスしながら、びくんびくんって、先生を埋め込まれた身体がたまらなく気持ち良さそうに跳ねてた。 　溜め息混じりに笑われて、どういう身体してんだって、丁寧に額にキスをされて。先生のことが好きすぎて、繋がった場所が切なげに、太くて大きくて、硬い先生のペニスにしゃぶりついてた。 「あ、やぁぁっ……ン、せ、んせっ」 　気持ち良くて溶けてしまいそう。お腹の奥の熱いとこを、先生のペニスに突かれて、たまらなくて、声が我慢できない。 「ぁ、ンっ、あっンっ……ン、ぁ」 「葎」 　奥を小刻みに突かれて、中の一箇所、前立腺のところをペニスで擦られて、お尻の孔がきゅんきゅん先生のことを締め付ける。 　挿入されただけでイっちゃった身体は熱くて、トロトロで、中がうねってた。欲しがりすぎてて、はしたないくらい。 「あぁぁっ、ン」 　だって、今日の先生、なんか、違う。 「葎」 「ン、あ、そこ、らめっ」 　なんか、いつもより熱くて、少し乱暴で、少し、俺を押さえつける手が強くて痛い。 「あぁぁっ、はぁっ……ン」 　痛くて、気持ちイイ。 「あっん」 　先生、どうしたの？ 「あ、やっ……ン、先生っ」 　何かあったの？　なんで。 「ン、先生……好き……ンっ」 　なんで、そんなに嬉しそうにしてるの？ 「せんせっ」 　覗き込むと、クン、と奥をペニスで突かれた。気持ち良くて、大きく脚を開きながら、深く、先生がもっと奥まで来てくれるように腰をくねらせる。 「あぁぁぁン」 　乳首を舐められて零れた声がすごく甘くて、なんかね、今日は俺のほうが恥ずかしい。 「可愛い声だな」 「ン、だって」 　だって、今日の先生がしてくれるセックスはなんだか違うんだもん。喘ぎ声が甘いのは先生が俺のことを甘く貫くからだ。甘い愛撫に、甘い挿入、甘いキス。 「ン、ふっ……ン、んっ」 　甘い、甘いセックス。首筋にキスをされて啼いてしまえば、少し口元を緩めた先生が腰を浮かせてくねる俺を抱き締めてくれる。抱き締められて、そのまま腰を打ちつけられて。 「あっ、あっ、あぁっ、ン、あっン」 　お尻のところ、すごい気持ちイイ。 「センセ」 「……」 「っン、んんんっ」 　切ない声で名前を呼ばれた。 　葎 　そう、名前を呼ばれて、奥を、抉じ開けられて、視界で星が瞬いた。 「あ、ぁっン、せんせ、そこっ、ぁ、ン」 「っ」 「深いっ、の、んんっ、ぁ、イっちゃうっ」 　激しくて強くて、荒々しかった。先生の下で激しいセックスに身体をくねらせる。 「あ、ぁっ、も、イくっ、せんせ、イっ」 　甘い蜜音が響いちゃいけない場所なのに。とても綺麗に整理された数学準備室には、大きな三角定規にコンパス、学校の授業で使う道具が並ぶ。 「あ、あ、あ、あ、っ」 　ここは学校で。 「ぁ、イくっの、先生、イっちゃぅっ、ン、んんっ」 「葎」 「あ、あ、あ、ぁ、ああああああああっ」 　先生が普段仕事をする場所で、先生に抱かれてる。 「あっ…………っ」 　先生と、セックスを――。 「ン……」 　寝て、た？　えっと、俺、先生と――。 「……」 　びっくりした。 「せんせ？」 　ここは数学準備室。部活があって、アイスを差し入れにと、大学院に通っているＯＢから頂いたから、先生へ届けに来たんだ。数日会えなかったから、会いたくて、声が聞きたくて、触れたくて、道着姿のまま四階の数学準備室まで駆け上っちゃうくらい。 　アイス、溶けちゃって。 　それで、セックスをした。学校でキスもセックスもした。意識が飛んじゃうくらい激しくて、濃いのを。 「……寝てる」 　身体、拭いてくれたんだ。道着も帯、きっとあえてなんだと思う、まだ熱の余韻の残る身体をふわりと包むように帯を結んでくれてる。 　ほら、だから身じろいだら解けてしまった。 　そしてはしたない格好の俺を抱き締めたまま、先生が寝てた。数学準備室の窓の近く、ちょうどいつも先生が座るデスクですっぽりと二人分、出入り口からは見えないだろう辺り。 　地べたに座り込んでいた。 　先生が地べたに座って、その上に俺が座って、抱きかかえるように密着しながら、頭をこっちに預けて寄りかかってる。 　抱き締めてるのは先生なのに。 　先生が抱き締められてるみたい。 「……先生」 　抱き締められてるのは俺なのに。 　俺が抱き締めてるみたい。 　すごく気持ち良さそうな寝顔してた。すごく穏やかな寝息が聞こえた。 「直江、先生」 　抱き締めてくれる腕はとても、強くて、離してくれなさそうで。嬉しかった俺はその寝顔をしばらく堪能してからそっと額にキスをした。