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クリスマス編 7 はしたなく、甘く

 好きな人が先生だったから、ずっとずっと、ずーっと先生だったから、早く「生徒」じゃなくなりたかった。  一秒でも早く、生徒、じゃない大人になりたかった。  でも、今はね、「生徒」でよかったぁって、思ってる。  自分勝手だよね。 「えっと、予約してた渡瀬です」  ようやくやって来た順番、手に持っていた引換券をガラスのケース越しに渡すと、店員さんがニコリと微笑んだ。  先生と選んだのは小さなブッシュドノエル。ロマンチックな赤い果実と金粉をあしらった、艶やなダークチョコレートが素敵でね。大人用だから少し洋酒も入ってるんだって。  ちゃんとケーキの下のところに注意書きがあったんだ。  未成年の子は気をつけないと酔っ払ってしまうかもしれないって。 「お持ち帰りの所要時間はどのくらいですか?」 「あ、えっと」 「十分です」  背後から手がスッと出てきて、店員さんの差し出したケーキを受け取ってくれた。  先生だ。  ぽかんとしてる俺を見て、クスッと笑ってさ。余裕のある大人の笑顔に、ドキッとして。 「ほら、帰るぞ。後ろがつっかえる」 「あ、うんっ」  そう。今日はクリスマスイブだもん。 「待って、先生っ」  ド平日。でも、きっとね。世界中で子どもとあと、学校が今週からお休みになる「生徒」だけは、今日をとても楽しみにしてると思う。だって、明日も休みだから。 「あっ……ン、先生っ、あぁっン」  絡め合った舌でトロトロに溶かされたダークチョコレート。それみたいに艶やかで、甘い声で先生を呼ぶと、かぷりと首筋を噛まれた。  感じすぎて、たまらないのに、手首を拘束されてるから、上手に快楽を逃しきれなくて。  噛まれて仰け反ったらバランスを崩したけれど、先生が背中を支えてくれた。そして、そのまま下着を脱がされて、もう何度もしてるのに、ネクタイひとつで感度が増してはしたなく濡れるペニスを見られてしまう。  拘束されながらの愛撫に泣きじゃくるように濡れて、甘い声につられてピクンと跳ねる、やらしいペニスを。 「っ」  身震いしてしまう。  それを貴方は寒いか? なんて訊く。  だから、俺は貴方に教えてあげるんだ。 「先生っ、あぁっ……う、んっ」  興奮しただけって。裸になれば見てわかるのに、訊いて、意地悪をする貴方にちゃんと言葉でも言うの。  それに今夜のセックスはいつもよりもずっと、卑猥ではしたないでしょ? 「ン、先生」  手首を縛られた俺はちゃんとクリスマスケーキを食べられないから、貴方に口移しで、雛鳥みたいにケーキを食べさせてもらってる、なんて――。 「あ、もっと、食べる」  なんて、汚らしい食べ方。 「ン、ふっ……ンン」 「葎」 「ン、ぁっ……」 「口の中、熱いぞ。洋酒、けっこうきつかったか?」 「う、ン」  食べたらね、喉奥がヒリヒリしたの。胸の辺りが、かぁ……って、熱くなって。 「俺の、口の中、熱い?」 「あぁ」 「ホント?」  口をあーんって開けて、でもしゃぶったのはチョコレートがくっついたラズベリーじゃなくて、舌先で味わったのは綺麗に弧を描く雨細工じゃなくて、先生の舌。 「ン、ふっ……ん、んっ」  ゾクゾクした。  ひどくやらしいことがしたくなったのは、洋酒に浸したチョコレートケーキのせいかもしれない。ケーキを食べながら差し出したクリスマスプレゼントを貴方の首に巻きつけながら、食事中とは思えないいやらしいキスをした。 「じゃあ、先生の、口でしてもいい?」 「葎」 「先生の、舐めて、しゃぶりたいの」  下着ごと、ズボンを引っ張り下げて、手は上手に使えないから、もう硬くなってる先生のペニスの先にキスをした。 「葎」 「ンっ、ん」  キスをして唇でまぁるい亀頭を撫でて、そのまま口にした。先生の形に唇を添わせて、舌を巻きつけるみたいに、丁寧に舐めて。 「ンふ……ん、ん」  俺の身体の中の真似っ子をした。狭くて、熱くて、最初硬いけれど、段々と柔くなるの。自分の指で味わったことがあるから、ちゃんと知ってるよ?  この中で、俺、先生のこと気持ち良くしてあげられてるんだって、思いながら、指でしたことがあるから。 「んっんん……」  この先生ので奥まで貫かれる。 「ン、くっ……ン、ん」  このくびれてるとこで、擦ってもらうとたまらなくて。 「ぁっ、ふぅ……っン」  指じゃ味わえない、先生の、これが。 「……葎」 「ンっ」  顎をくすぐられて、口を離すと布団に組み敷かれた。 「ン、先生っ」 「しゃぶっただけでこんなに濡らして」 「あ、あっ、だって」  ずっとずっとしたかったんだもん。 「やぁぁぁッン、乳首、噛んじゃ、やっ」 「……」 「んんんっ、それ、イっちゃうってば」  クリスマスイブに喉奥がヒリつく。でもずっと先生とセックスしたかったんだもん。 「ん、ぁ、あ、あっ、や」 「硬い……」 「ン、だって、先生の舌、感じちゃう、からっ」  たくさんキスして、敏感になるよう躾けられた乳首を舐めてもらって、たっぷり甘い前戯に酔っ払う。手首をいつまでも解放してくれないから、ずっと、貴方に犯されてる気分に浸りながらすごす、二人っきりのクリスマスパーティー。ケーキを買いに行く時も、ケーキを買って二人で帰る車の中でも、ご馳走を食べてるその間だって、ずっと先生に抱かれたくてたまらなかったんだもん。それなのにこんなことされたら。 「ン、やぁぁっンっ」  中指を一本、挿入されただけで、脚をはしたなく広げて、腰を揺らしちゃうくらいに、早く貴方のことが欲しくてたまらなくなる。 「あ、あ、あっ、指、気持ちイイ、前立腺の、とこ、やっンっ……いじっちゃ、やだ」  中がきゅうきゅう締め付けちゃう。 「あ、あっン、せんせっ、先生っ」  やらしい孔で貴方の指をたっぷり味わって感じてるところを、腰を浮かせて見せ付けた。大好きな先生に見えるように、大胆に脚を広げて、しっかり反応してるペニスを真っ赤に火照らせながら。 「指で、イっちゃいそ、なの」  大きく、はしたなく広げた。  ネクタイで束ねられた手を孔の縁に添えて、開いて、今、愛しい人の指を咥え込んだ中が切なげに疼いてるのを見せて、誘う 「あ、あ、あっ指も、好きだけど、っ」  ここにもっと太くて。 「お願い、先生、あ、ンっ」  この奥にも届く。 「あ、あっ」  先生のペニスがいいの。 「あ、あっ……も、欲しい」 「葎」  指を抜かれて、ヒクつく孔に、太くて硬くて、熱い、待ち望んだ先生のが。 「あ、あ、あっ、あぁっ! っ……や、先生、イく、のにっ」 「あぁ」 「や、ダッ、意地悪、しないでっ」  ずぶずぶって挿れただけでたまらないの。 「……葎」 「ぁ、ぁ、ぁ、ぁ。手、ダメっ」  ぎゅっと握られたのは熱を放ちたいと駄々を捏ねるペニス。ぎゅっと根元を握られたまま、きゅんきゅんって強烈に締め付ける孔の中を先生のペニスが行き来する。 「あ、あっ、あぁぁっ」  感じてる顔を見られてる。 「葎」 「あ、やぁあ……ン」  これ、たまらない。  手首も、ペニスも、貴方に縛られてる。  お尻の孔を、あの長くて骨っぽくて、大好きなあの指で可愛がられて、いやらしい孔にされちゃうとこを見られてる。 「あ、あ、あっ、先生」  貴方が欲しいって、きゅぅんって、切なげに締め付けるとこを見られて。 「先生っ、せんせぇ」 「っ」  奥まで激しく突き上げられて喘ぐ泣き顔を見られて。 「あ、あ、あ、あ、あっ」 「葎、中で……イかせてくれ」 「あ、ぁ、あぁぁぁぁぁぁっ!」  先生のペニスに貫かれて射精するところを、たくさん、見られた。

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