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 赤ちゃんの激しい鳴き声が聞こえる。 朱華「あー……、やっと寝かしつけたのに……」 辰典「……」  不意を突かれ辰典の動きが止まったので、朱華がするりと辰典の腕から抜けて奥の部屋に困ったような顔をして向かう。 朱華「ごめんね、起こしちゃったね」  敷き布団の上で泣きじゃくる葉菜を抱き上げる朱華。しかし、泣き声は大きくなるばかり。 辰典「子供が居たのか? いや、だが調べた限り、子供なんて……」    部屋の入り口から辰典が顔を覗かせる。 朱華「姉の子です。ある日、家の前に置き去りにされてたんです」  葉菜の背中をトントンと叩く朱華。葉菜、泣き止まず。 辰典「そりゃ酷いな。おい、ちょっと俺に貸してみろ」 朱華「え? いや……」 辰典「良いから」  疑いの目を向ける朱華から葉菜を自分の腕に抱き、朱華の前に座る辰典。

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