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〇苑巳組事務所(真夜中)
薄暗い事務所でソファに座って一人で悩む辰典。
辰典の心の声「振り込みは駄目だろう? 警察に調べられたら一番に繋がりがバレる」
銀行を想像するが、直ぐに黒いバツ印が頭上に出る。
辰典の心の声「俺が手渡しはどうだ? 少しずつに分ければ……いや、警察に俺がマークされてそうだな」
「ほら、お給料だぞ?」サラリーマンっぽく爽やかに朱華に細身の茶封筒を渡そうとする自身を想像するが、黒いバツ印が出る。
辰典の心の声「郵送も出来ないんだよな、さあて、どうするか。どうしたら犯罪のにおいを消せる?」
目を閉じてさらに考える辰典、ぱっと目を開く。
辰典「良いこと思い付いたぜ」
にやりと笑う。
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