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辰典「植森朱華は俺の獲物だって言い聞かせておいたから、もう大丈夫だぞ?」  辰典が他の組の男二人に怒鳴っている姿は容易に浮かぶ。 朱華「すみませんでした!」  朱華、正座をして頭を下げる。 朱華「僕、勘違いして……、苑巳さんは守ってくれようとしてたのに……」  頭を下げたまま目をぎゅっと瞑る朱華。 辰典「顔上げろ。あと辰典って呼べ」  そろりと顔を上げながら 朱華「……僕、実はもう一つ謝らなければならないことがあるんです」 辰典「なんだ?」

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