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第4話
「……ちょッ、遼……!」
「こんな……エロい服、俺以外の誰かの前で着んじゃねえぞ?」
「……は? エロいって何……」
やはり露出の高い服装に気付いていたのか――
「すぐに脱がせそうなダブダブのスウェットに、乳首が透けて見えるピチピチのタンクなんてさ……こんなカッコで外に出るんじゃねえって言ったんだ」
「ンなの、ただ着やすいだけ……だって」
「嘘だな――」
わざとだろう? 俺を誘惑したかっただけなんじゃねえか?
すっかり見抜かれていることに、恥ずかしくて頬は茹で蛸状態だ。そんな気持ちを更に煽るようなことを遼二は言った。
「例えば――もしか知らねえ女が超エロいカッコで迫ってきたとしても、俺は手出したりしねえ。どんなトラップ敷かれてもぜってー引っ掛かったりしねえよ」
「何……言ってんの、お前……」
「だって心配だったんだろ? 夢ン中で俺が女を抱いてて、不安になったんだろ?」
「……ッ、別に……ンなこと」
「でもお前なら話は別だ。こんなエロい格好見せられたら我慢なんかできねえわ」
抱き寄せられて重なり合った身体の中心が既に硬く熱を帯びていて、遼二が欲情しているのを知らしめてくる。
お前も素直になれよ、欲しいなら掴み取って見せろよ――と、こちらの羞恥心などおかまいなしに弱いところを突いてくる。どうしてこいつは、こうも堂々と思ったままを口にできてしまうのか。
正直、羨ましかった。自分ももっと素直に、この腕に飛び込んでいくことができたなら――そう、例えばこうして腕を広げて『来いよ』と言ってもらわずとも、自ら押し広げてでもこの胸に抱き付いてみたい。
そんな気持ちのままに、紫月は目の前の逞しい胸板にポスンと額を預けた。そのまま視線を下へ――僅かに躊躇する指先に勇気を持たせるようにジーンズへと手を掛ける。
「な、遼……ベッドの上……座れって……」
座位をうながし、前を開け、木綿のボクサーに頬を寄せ――彼の雄を口へと含んだ。
頭上では遼二がこちらを見下ろしながら、くしゃくしゃと髪を撫で、指に絡めてくる。
「どした? お前が急にこんなことしたがるなんてよ」
そう、いつもは大概逆なのだ。遼二に愛撫されることが多いのは、やはり自身が彼を受け入れる立場だからだろうか。
「もしか……夢ン中で女が俺にこういうことをしてたのか?」
さすがにいくら何でもデリカシーがないだろうと睨み上げるも、図星なので反論の言葉も思い浮かばない。
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