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第2話

今日はひとまず帰ろう。 この格好じゃ授業どころじゃない。 「とりあえずジャージに着替えて帰るか…」 まだ学校に登校しただけなのにすごく疲れた。 この調子で明日からやっていけるのだろうか。 視線が冷たい。 同性愛の何がいけないんだ… 外国では同性婚だってあるじゃないか。 同性婚した人達を馬鹿にしてるのと一緒じゃないか… そんなこと言ったって皆が聞く耳を持つわけがない。 「はぁ…」 思わず溜め息がでる。 何を言っても無駄なら話す必要性がない。 そんな俺の孤独な日々が始まる。 ..... 「しつけぇな。さっさと退学しろよ!お前なんかゴミ同然なんだよ!どーせ体でも売ってんだろ?汚ぇクソビッチが、お前なんか誰も求めてないんだよ」 最後に俺を一蹴りし、去っていく。 「いっ…たたた…。口の中痛い…。……帰ろう…」 今日もまた同じ道を、鬱になりそうになりながら歩く。 「絆創膏買ってかなきゃ…。…あ…財布とられちゃってたんだ…」 いじめが始まって1ヶ月。 最初と変わらない地獄のような日々。 隣で支えてくれるような友人もいなければ親にも捨てられた身だ。 本当に孤独だ。 ..... 「…なんかあの人ふらふらしとらん?大丈夫かいな…」 「悠!あの人学年全体からいじめ受けてる人だよ!関わったら悠までいじめられちゃうよ!」 「…せやな」 いじめ… あの人そうとう辛いとちゃう? 助けたい、手を差しのべたい。 自分もいじめられていたからよくわかる。 いじめがどれだけ辛いか。 でも、1歩が踏み出せない。 今も昔の記憶が蘇ってくる。 「必ず、助けたる…」 静かにそう呟く。

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