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第32話 初めて知る快感
橘は保の片方の乳首を、唾液をたっぷり滴らせた舌で舐めまわし、ときどき歯を立てて軽く噛んだりして愛した。
もう片方の乳首は指で少し強めにひねりつぶすことを繰り返す。
「あ……、や……、橘せんぱ……」
保は声を押し殺そうとして叶わず、甘い吐息をまき散らした。
「気持ちイイ? 保……」
途端にビクンッと彼の体が大きく跳ねた。
「先輩……、やだ……、しゃべらな……で……」
橘がしゃべるたび、舌が淫らに乳首を刺激するのか、保が小さくかぶりを振って、感じ入っている。
橘は保と視線を合わせると、どうしようもないくらいの切なさと愛おしさの思いを、吐露した。
「好きだよ……、保……、好きだ……」
「橘先輩……、僕も……、好き……大好きです……先輩……」
そうしてまた深い口づけを交わす。
橘は右手を、保の体のラインに沿って、下へと這わせていった。
右手が彼のパジャマのズボンの中へと入りこもうとした瞬間、
「やめっ……」
保が反射的に、橘の手を押さえつけた。
「大丈夫……、保……」
橘は、彼の手の甲にキスを贈ると、再び乳首を唇で愛しながら、パジャマのズボンの中へ手を入れた。
「あっ……」
橘が保のソレを右手で包み込むと、彼の体が大きくのけ反り、甘く掠れた声をあげる。
「あっ……、ああ……、先輩……、や……」
乳首を舌で舐めまわしつつ、右手で保のソレを上下に擦りあげてやると、快感に溺れたように彼の体が震え、濡れた声が部屋に響く。
保は、自分以外の誰かに、乳首を触られ、敏感なソコを愛された経験などないのだろう。
橘はそのことへたまらないうれしさと欲情を覚えていた。
そして、文字通り、あっという間に保は絶頂へと昇りつめた。
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