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第33話 情交のとき

 イッたあとの余韻にたゆたい、半ば放心状態の保を、橘は愛しく見つめた。  白い肌は桜色に染まり、快感に潤んだ目元は涙が溢れそうになっている。  上半身はボタンをすべて外され、全開になっていて、淡く小さな乳首が橘の唾液に濡れ、淫らに光っていた。  パジャマのズボンは下着と一緒に膝のあたりまで下げられていて、彼の、男である証のソレがあらわになっている。  恋人のそんな姿態は、とてつもなく綺麗で、心臓に悪いくらいエロい。 「保……」  橘は心の奥深くから込み上げてくる愛しさと欲望のままに、彼を今一度強く抱きしめた。 「橘、先輩……」  ようやく少し意識の焦点が戻ってきた保が、手を伸ばしてきて、橘の頬にそっと触れる。  橘は彼の手のひらにキスを落とすと、耳元で熱く囁いた。 「好きだよ……、保。……続き、していい……?」 「……好きです、先輩。僕も……先輩の、すべてが欲しい……」  保の体にまとわりついていたパジャマを完全に取り去ってしまうと、橘もまた身に着けていた衣服をすべて脱ぎ捨てた。  再び体を重ねていく。  触れ合う素肌がとても熱い。 「先輩……」  保の瞳がほんの少しだけ不安に揺れる。  橘は彼を安心させるために、何度も口づけを贈ってから、保が放った愛液とローションを自分の右手の中指にたっぷりと絡ませた。  そして、保の体に隠されている一番奥深い部分へゆっくりと、その指を沈めていった。 「……いっ……」  途端に保の体が強張る。 「保……、力、抜いて……、ゆっくりと呼吸して……」 「せんぱ……」  言われた通りに、保がゆっくりとした呼吸を繰り返すうち、徐々に彼の体から強張りが解けてくるのが感じられた。  橘は指を二本へ増やすと、保の中をほぐすように探る。  そうして橘の二本の指が、彼の中の、ある場所を擦りあげた瞬間、保が大きく目を見開いた。 「……あっ……」  声が快感の色に染まっていた。 「やっ……、やだっ……。あっ……、なに……、これ……、や……」  言葉とは裏腹に保は激しい快感を覚えているようで、橘の指をきゅうきゅう締め付けてくる。 「……ここ? ここが保のイイところ?」 「先輩……、橘せんぱい……、っあ……」  甘い吐息混じりに名前を呼ぶ恋人に、指を締め付けてくる彼の中に、橘の我慢が限界を超えた。  橘は保の中から指を抜くと、彼を求めて、大きく固く勃起した自分の雄をその部分にあてがい、ゆっくりと挿入した。

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