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俺に夢中になってくれませんか。
抱きしめたりキスをしたり。
この先に進んでいい確証が持てない。
色々と生々しいこの先の行為をこの人は知っているのだろうか。
「なぁ、風呂は?」
戸惑うように掛けられた言葉と視線にはっと我に返った。
「ごめんなさい、溜まってるから先にどうぞ」
「なぁーんだ、一緒じゃねーんだ?」
俺の肩に手をついて支えにしながら立ち上がった遥さんはからかうような笑顔を残して風呂場に消えた。
思わず両手で顔を覆った。
これは…煽られてるのか。
告白して、うん、とだけ返事をされて、お互いの部屋で過ごすようになって、休みの前の日はこうして泊まることもある。
数えられるくらいのキスとハグ。
もう二ヶ月、なのか、まだ二ヶ月、なのか。
深く触れたいけど、触れるのが怖くもある。
もし拒否されたら。
そんなこと今まで考えたこともなかった。
嫌だと言われたらじゃあまた、と流せていたし、収まりそうにない時はなし崩し的にちょっと強引に進め終わらせた。
これまでの恋愛と呼べるものかどうかすら怪しい経験がまるで役に立たない。
惚れる、とはこういうことかというのを今身を持って経験し実感している。
何でもいいから側にいたい。
世話がしたい。
あの人の見ている物を一緒に見たい。
見逃したくない。
好きで苦しい。
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