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俺のだって言っていいですか。

橘さんが帰り、ドアを閉めた次の瞬間また耳を劈くような悲鳴が上がった。 真由ちゃんが立ち上がりまた震えながら号泣している。 「ま、真由ちゃん、大丈夫?」 声をかけた俺の頭がスパーンとまた叩かれる。 「誰があそこまで本気でやれって言ったんだよ」 耳を真っ赤にした遥さんが怒りで震えている。 「舌入れてきたの、遥さんじゃないですか」 「ふ、振りだってわかるだろ?あの状況なら」 「いや、無理ですって!例えわかってても遥さんからキスされて冷静でなんていられませんよ!」 「お、まえ、もう黙ってろ!」 もう一度今度は額を叩かれ、我に返り真由ちゃんを見ると化粧が跡形もなく崩れてしまうほど泣いている。 「私の幸せはここにあった……」 幸せそうなので放っておくことにした。 誠一さんがわざとらしい咳払いをする。 「まぁ何はともあれ、漸く諦めたみたいだから良かったな」 誠一さんの笑顔にみんなが同じように笑った。 だが!と誠一さんが続ける。 「会社でのスキンシップはほどほどにな」 遥さんの刺すような視線から目を反らしそっと息を吐いた。 この人は俺のです。 誓うように思う。 さっきのキスを思い出し締まらなくなった顔をこの後もう一度叩かれることを知らずに。

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