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俺は嫉妬深いですか。
タクシーで俺の部屋に着くと真っ先に水を飲ませた。
ごくごくという音と共に喉仏が上下するのを噛みつきたい衝動を押さえながら見守る。
「ありがと」
空になったコップを渡しながら濡れた口元を拭う。
「…着替えましょうか、あ、シャワーしますか?」
「一人じゃやだ」
「…襲いますよ」
「いーよ」
その言葉に脱がしかけたジャケットから目を上げた。
「酔っ払いが適当なこと言わないでください」
「酔ってても適当じゃねーよ」
「どんなことするかわかってるんですか」
「知ってるもーん」
そう言いながら立ち上がった遥さんはもうよたよたしていなかった。
「草食なんだーって思うくらい手ぇ出してこない誰かさんを待ってる間にいーっぱいエロ動画漁って見ちゃったもーん。
しかも無修正で」
そう言いながらジャケットを脱ぎ、ベルトを外しスラックスも脱ぎ落とす。
日に焼けてない白い脚が現れ思わず目を反らした。
「腹の掃除しないとできねんだろ?酔ってても出来るかなー」
「ちょ、ちょっと待ってください」
「ゴムとかローション、あんの?」
「そ、れはありますけど、本気ですか」
「ん?あ、俺下でいーけど、お前どっち?」
頭が痛い。
避けているんだろうなと思っていた事を明け透けに話してくる遥さんにこれは現実か?と頬をつねりたくなった。
「気持ち良くしてくれなきゃ握り潰すから」
そう言って口の端を持ち上げた遥さんはこれまで見た中で一番妖艶だった。
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