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※俺ともっと触れあってくれませんか。

「何、なんだよ」 「どこまで煽るんですか!突っ込まれたくなかったらシャワーしてきてください!」 「俺さっきシャワーしたばっかりなんだけど」 「俺ので汚れたままじゃ嫌でしょ!」 「拭けばいいし、嫌じゃないけど」 俺の手を引き風呂場の前まで来た侑司は手を掴んだままへなへなと座り込んだ。 「もう、本当勘弁してくださいよ………」 「あ、垂れそう、」 腹の拭き残りが脚に垂れてきそうでそう言うとぐわっと起ち上がった侑司が風呂場に俺を押し込んだ。 「つべこべ言わずにシャワーしてください」 「はーい」 扉の向こうで侑司のため息が聞こえた。 二度目のシャワーを浴びながらやっと触れ合えた事に顔が緩む。 もっと、もっと触れたい。 もっと、もっともっと触れて欲しい。 「好きだよ、侑司」 ガタッと風呂場の扉が音を立てた。 どうやらまだへたり込んだままだったようだ。 俺達は大丈夫だ。 何の確証もないのに、そうとしか思えず、顔が緩む。 好きだと言われたら好きだと返せる自分がいる。 それがなぜか胸を張れることのように思えた。 ちゃんと同じ意味で好きだよ、侑司。 「一緒に入るかー?」 また風呂場の扉がガタガタッと音を立て、それに大きな声で俺は笑った。

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