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俺を変態にする気ですか。

腹を抱えて涙を流しながら笑っている。 ひーひー言いながら笑っている遥さんを横目で睨む。 「何、もしかしてゆで卵にヤキモチ焼いたとか言わないよな?あ、愛ちゃんにか」 「どっちにも、ですよ!」 俺の返事にまた噴き出した。 遥さんの笑い声を乗せてエレベーターが五階に着いた。 「俺の彼氏は何にでも焼くなー」 「俺の恋人はやたらモテますので仕方ないんです」 ロックを解除した遥さんが俺を振り返る。 ちょいちょいと指を左に動かす。 左に動け、ということか? 俺が左に動くとちょいと右に指が動く。 行き過ぎ? 右に少し戻る。 ニコと笑った遥さんが俺のネクタイをぐいと下に引っ張った。 「知ってた?この位置だと防犯カメラに顔映んねーの」 そう言うとちゅと音を立てるキスをくれた。 「あんまりヤキモチ焼かさないよーにするから拗ねんなよ、ダーリン」 いたずらっ子のような笑みを浮かべた遥さんを思わず抱き締めようとしたが、ロック解除の後あまりにも開かないドアを内側から開けられたため未遂に終わる。 「何やってんの、まさかそんなとこでイチャイチャしてないでしょうね」 朝からバタバタとしていたため、ご機嫌が良くない響子さんが仁王立ちしていた。 「ははっ、まさか」 遥さんはコンビニの袋を漁りながら響子さんの脇を通り過ぎる。 「はい、デザート」 響子さんの組んでいた手を解き手のひらにプリンとスプーンを乗せる遥さん。 「あと、おまけ」 プリンの上にチロルチョコをコトリと乗せると響子さんが片手で遥さんを抱き締めた。 「いつもありがと」 「いえいえ」 一瞬のハグが終わると響子さんはいつもの席に戻り早速プリンを開けている。 真由ちゃんにも同じデザートを渡すと戻ってくる。 あ、と声を上げた遥さんが俺を振り仰いだ。 「ごめん、言ったそばからやっちまった。焼くなよ?ダーリン」 俺の髪をわしゃわしゃと撫でると俺の手からコンビニの袋を取り上げ給湯室に入っていく背中を呆然と見送る。 女性で言うところの小悪魔なのか。 勝とうとか思ってる訳ではないが、どう足掻いても勝てる気がしない。 そのうち本当にゆで卵にまでヤキモチを焼くかもしれない。 遥さんに呼ばれ足取りも重いまま給湯室に向かった。

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