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俺を変態にする気ですか。

「……侑司」 「はい」 「ちょっと離れない?」 「やですよ、外で散々やきもきさせられてるんですから、家では好きなだけ触らせてください」 開いた俺の脚の間に座った遥さんを後ろから俺が抱き締めている。 「嫌ですか?窮屈?」 「嫌じゃねーけど、これだとお前の顔見えねーじゃん」 この人はまた! 肩に埋めるように置いた俺の頭を遥さんが撫でる。 「顔見たいんですか」 「そりゃそーだろ。恋人の顔してるお前じっくり見られんの部屋だけだもん」 あ、ダメだ。 もう降参。 なんでこの人はこんなに可愛くて可愛いのか。 「遥さん」 「んー?」 「好きです」 「んー、俺も」 髪を撫で続ける手を掴む。 「俺も、何ですか」 「んー?んー……好きだよ」 照れたような声に一気にムラっとした。 まだ風呂にも入ってないし、明日も仕事がある。 最後までしてなくて良かった。 まだ我慢ができる。 「風呂、入りましょうか」 腹に回していた手を引っ込め立ち上がろうとした俺の腕を遥さんが掴んだ。

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