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俺と離れても平気ですか。

金曜日の夜、仕事を終え、もう習慣のようにどちらかの部屋に2人で帰る。 2人で夕飯を作り、特に意味のない話しをしながらゆっくりと夕飯を食べ、風呂に入る。 それぞれがビールを開け口をつけたところで俺が切り出した。 「聞きたくないかもしれないけど、話しを聞いて欲しい」 侑司はうんと頷くといつもの柔らかい笑みを浮かべた。 「こないだ来た里香は、昔付き合ってた彼女だよ。 大学の時からだから、結構長く付き合ってた。 大学卒業して入った会社が里香がこないだ話してた会社。 俺は卒業してから入って、営業部に配属されて、順調に働いてたよ。俺はそう思ってた」 ビールを一口飲み、乾いてくる口の中を潤す。 侑司の顔は見られなかった。 「会社入って一年経つかってところで、里香が中途採用で同じ営業部に入ってきて、そこから少しずつおかしくなった。 元々馬が合わなかった上司から毎日会議室に呼ばれ怒鳴られるようになって、 毎日否定されることを言われ続けてたらそうなのかもとか思い出して、 ダメな人間なのかもって思い出したら営業も上手くいかなくなって。 その時……里香と一緒に暮らしてたから毎日話しを聞いてもらって、なんとか会社に行くって繰り返しだった。 どんどん生気がなくなってたらしい俺を見て指導してくれた先輩が教えてくれた。 菅原里香は上司と出来てるって」 口の中がカラカラで、また堪らずビールを煽る。 「その先輩にだけは話してたんだよ、里香と付き合ってて一緒に暮らしてること。 まさかと思って、例のごとく呼び出された会議室で上司に聞いた、里香と出来てるのか。 そしたら上司が言ったんだよ、里香はお前と別れたがっている、 毎日愚痴ばかりのつまらない男とは一緒に暮らしたくない、そんな小さな男だとは思わなかった、って」 「遥さん………」 「家に帰って里香に聞いてもごめんなさいって繰り返すばかりで、俺は里香を信じようとしてた。 ある時先輩に呼ばれて営業部が使う会議室とは違う階の会議室に連れられて行った。 二部屋続きの会議室で、入ると隣の部屋から……あの上司と里香の、ヤッてる声が聞こえた。 早く遥くんを辞めさせて、早く結婚したい、って喘ぎながら里香は上司に強請ってたよ」 ビールを飲み干し缶を握り潰した。

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