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俺はそのうち焼かれますか。

「あ、そう言えば」 俺の声に遥さんが首を傾げる。 「居酒屋で薫さんに何て答えたんですか?俺の好きなとこ」 遥さんはニヤリと笑いながら首に腕を絡ませる。 ぐっと遥さんに引き寄せられ、耳に唇が当たる。 「全部好きだけど、一番は俺にメロメロなとこ、って言ったの」 耳朶にちゅとキスをしてから遥さんがぎゅっと抱き着いた。 間近に見える耳が赤い。 「はい、メロメロです」 「ばーか…」 着替えや風呂に動きたいのに、離れがたく、 俺たちは長いこと立ったまま抱きしめ合っていた。

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