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※俺、食べちゃってもいいですか。
「動いても大丈夫ですか」
答える代わりに腕を伸ばし侑司の頬を撫でると、眉を潜めたままゆっくりと腰を振り始めた。
「あ、あ、侑司…」
「遥さん、可愛い…」
段々と早く重く深くなる動きに喉が悲鳴を上げる。
脚を上げ膝裏を押さえるようにして侑司が腰を振ると擦られる場所が代わり、さらに声が漏れた。
「ゆぅ、じ、前触って、もう、あっ」
「ダメです、今日は触りません、後ろでイッてください」
「や、やだっ、イケない、侑司っ」
「ダメ、こないだイケたでしょう?」
自分で触ろうとした手を頭の上で拘束され、打ち付けるような腰からの刺激と熱さに掠れた声で応えた。
「遥さん、すげ、いいです、遥さん…」
聞くだけで腰が蕩けてしまいそうな欲情した声で侑司が俺を呼ぶ。
俺だけだって言って。
その声で目で、好きですって言って。
「遥さん、好きです」
「あっ、あ、あぁっ、侑司」
びくんと大きく波打った身体が跳ねると性器から白濁の液が吐き出された。
小さくうめき声が聞こえたと思った次の瞬間には身体の奥から熱いモノが一気に抜かれ、腹に温かい飛沫が掛けられた。
最後の一滴まで絞り出すかのように吐き出す侑司をまだ整わない息を吐きながらぼんやりと見つめた。
触れるだけのちゅーをしてから侑司が枕元の箱に手を伸ばし、俺の身体を拭いてくれる。
「中に出してくれんの、期待してたのに」
「はぇ!?」
驚きすぎて変な言葉を発した侑司に噴き出す。
「そんなに爆笑したら、あぁ、垂れますよ」
いそいそと後始末を続ける侑司の髪を撫でる。
なぁ、言って?
言ってくれたらおかわりを考えてもいい。
下から見つめる俺に気付いて侑司が柔らかく笑う。
「大好きです、遥さん」
首に腕を巻き付け侑司を引き寄せた。
「おかわり、する?」
「でも明日も仕事ですよ」
鼻をぶつけながら可愛いちゅーをする。
「ダーリンが上手いせいでまだ疼いてんの」
「……じゃあしっかり責任とりますね」
可愛いちゅーが可愛くない大人のちゅーに変わるとすぐにまた欲しくなった。
ちゅーが終わったらきっと言ってくれる。
俺が欲しい言葉を。
「遥さん、好き、好きです…」
「ん、俺も好き…」
初夏の夜は短い。
せっかちな太陽に邪魔されないうちに、もう一度………
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