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※俺の身体はおかしいですか。

「…………遥さん」 後ろからの低い声に飛び上がるほど驚きそろーと振り返ると侑司が腰に手を当て呆れた顔で俺を見下ろしていた。 「断捨離するって言ったのになんで断捨離するものを出してないんですか」 「見たけどないんだもん」 「可愛く言ってもダメです、ほら、この辺のスエットとか捨てましょうよ」 「やだって!着心地いいから捨てない!」 「遥さん…新品も一回洗濯したら着心地良くなるんです。捨てましょ!」 「新品なのに洗うの?なんで?」 「     」 口をあんぐりと開けた後ため息を吐いた侑司は、毛玉がとれなかったら捨てますよと言い、お友達かと突っ込みたくなるほど使っている毛玉とり器でスエットの毛玉をとり始めた。 「毛玉できたら捨てるもの?」 「いや、そういう訳ではないですけど、生地はどうしたって傷んでくるし、毛玉を取ってると生地も薄くなりますからね、買い替え時だと思って俺は処分してます」 「ふーん」 ブィーンブィーンと毛玉取り器が頑張っている。 あ、噛んだ。 止まってしまった毛玉取り器のスイッチを切り、侑司が困ったように眉を下げながらスエットを見せる。 小さく穴の開いた愛用のスエットが侑司の手の中でくたりとしている。 「捨てるよ」 ゴミ袋を広げスエットを入れる。 入れながらありがとうございましたと頭を下げる。 物心ついた頃から使っていた物を捨てる時はありがとうございましたと頭を下げる癖がついている。 言い終わった俺を侑司が後ろから抱きしめた。 「そのありがとうございました、可愛いですね」 「そういや侑司は言わないな」 「遥さん家だけじゃないですか?ご両親がやられてたんですか?」 「いや、兄ちゃん。正確に言うとばあちゃん」 「え?」 「話してなかったっけ?うちは兄ちゃんはばあちゃんが育てたんだよ、で、俺は兄ちゃん」 「兄ちゃんて、歳変わらないのに育てるとか無理でしょ」 「変わらないって、兄ちゃんと俺7つ離れてるけど」 「え、えええええ!!!???」 侑司の声に飛び退いた。 鼓膜がビリビリしている。 そんな驚くか? 「俺が生まれてすぐくらいにばあちゃん死んじゃったから俺はばあちゃんの記憶ないけど」 「か、薫さん、35歳!?俺てっきり29とかいってても30かと」 「まぁ昔から年相応には見られたことないなー」 「遥さんもですけどね」 「俺は年相応だろ」 「まぁスーツ着てれば見えないこともないですけど、私服になると学生さんですよ」 誰が学生さんだ。 腹立ちまぎれに侑司の耳朶を引っ張ってやった。 マンションを買ってから休みと言えば引っ越しの準備に忙しい。 持って行く物と処分する物。 侑司は初めの休みの二日間であっさりと決めて終わり、すでに荷物を運んでいる。 今日からでも住める。 なかなか進まない俺の尻を侑司が叩きまくるが、決められないものは仕方ないだろ。 「今日中に終わらせたらお掃除ロボットさんを買ってあげますよ」 侑司のその一言で奮い立った。 「終わった!」 一時間ほどでリビングにいる侑司にそう言うと驚きでぽかんと口を開けた。 「約束通りお掃除ロボットさん買ってくれ」

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