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俺の特別はあなただけです。
「なぁ、仲良ししよ?」
首筋にちゅーをするとごくりと唾を飲み込む音が間近で聞こえた。
背中を撫でる手が止まる。
が、それは一瞬で、侑司の手はまたゆっくりと背中を撫で始めた。
「今日は、しません」
「なんで?」
思わぬ言葉に身体を起こした。
眉を寄せ苦笑いする侑司の頬を撫でる。
「幸せな気持ちの遥さんを、同じ気持ちの俺で抱きたいんです」
こつんと額を合わせた侑司がふっと笑う。
「本音はいつどんな遥さんでも抱きたいんですけど、
好きだなー幸せだなーエッチしてもっと幸せを感じたいなーって時の遥さんとしたいんです」
「今日は……違う?」
「はい。今日の遥さんは好きだなーでも不安だなーエッチしたらそれなくなるかなーって感じでしょ?」
チュと音を立てた軽いちゅーをした侑司はまた額を合わせて柔らかいいつもの笑みを浮かべた。
「そういう時はしないでたくさんぎゅーってしてキスをしましょう」
そう言って笑った侑司が重なるだけの優しいちゅーをくれた。
温かく柔らかい唇が重なる。
好きですと告白してくれたあの日のような触れるだけの、侑司の気持ちを伝えるようなちゅー。
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